公正取引委員会は「談合列島」を撲滅できるか
2007年 01月 08日
国交省水門工事で官製談合の疑い 公取委が防止法適用へ(2007年1月6日 asahi.com)
国などが発注した水門工事の入札を巡り、大手プラントメーカーなどが談合を繰り返していた疑いがある問題で、公正取引委員会は、国土交通省発注工事で同省職員が落札希望業者を業者側に伝えるなど「官製談合」があったとの見方を強め、官製談合防止法を適用する方向で検討に入った。
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ヤマト運輸対郵政公社事件から見る「小泉改革の実質」
2006年 02月 04日
この事件は、ヤマト運輸が日本郵政公社を相手取り、コンビニエンスストア大手ローソンでの郵便小包「ゆうパック」の取り扱い差し止めを求めた訴訟で、東京地裁は1月19日、ヤマトの訴えを棄却する判決を下した。
同事件で、ヤマト運輸は郵政公社が税金免除などの優遇措置に基づく不当廉売を行っていると主張していたが、東京地裁は「ヤマト運輸は小包料金の原価について具体的な主張、立証をしていない」と述べ、「独占事業の信書の収益などを活用し、原価割れの料金を設定した」とする同社の主張を否定。「独禁法では民業を圧迫するかどうかは考慮の対象外。郵政公社の新料金体系導入後もヤマト運輸は売上高や収益を増やしている」と指摘、不当廉売に当たらないと認定した。
ヤマト運輸は「残念だが主張は変えない」とコメントしたが、その後、2月1日になって東京高裁に控訴したことが明らかとなった。
しかし、東京地裁が述べているように、独禁法では郵政公社が民業を圧迫したかどうかの判断が困難である。今回の事件は、独禁法の限界と、その限界外で民業を圧迫する巨大公社の実質が露呈したことである。
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「官製談合」はなくせるか(By foresight1974)
2004年 10月 22日
公正取引委員会が独禁法違反で大手ゼネコンなどに排除勧告した新潟市発注の土木建設工事をめぐる官製談合で、新潟地検は19日午前、同市の公共工事の設計価格を入札前に業者に伝えた偽計入札妨害の疑いで、同市都市整備局参事(55)、新潟市の建設会社社長(68)の両容疑者を逮捕した。
また同地検では同日午前までに東京・霞が関の公取委と、新潟市役所、落札業者などを家宅捜索した。官製談合防止法を適用した談合での強制捜査は全国初。(新潟日報10月19日より。ちなみに、公正取引委員会が官製談合防止法に基づく排除勧告を行ったのは、北海道岩見沢市の事件に続いて2例目である。)
(新潟日報・2004年10月22日)
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公正取引委員会は名を捨てて実を取ったか?(By foresight1974)
2004年 10月 06日
最大の攻防点は、課徴金を欧米なみに引き上げる点であったが、経済界の強い反対で小幅にとどまったことは大変心残りではある。タレントのみのもんたが経営する水道工事会社は、談合の疑いでこの10年で3回の立入検査を受けているが、行いを改めたという話は聞かない。談合をしないことより、課徴金払った方が安いからである。
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ヤマト運輸対日本郵政公社事件をどう見るべきか(By foresight1974)
2004年 10月 06日
それは、すでに多くの識者が論じているように税金を免除されている郵政公社がその分安いコストで宅配便事業を展開して他の民間会社を圧迫する、というだけの問題ではない。なぜなら、それだけの問題ならば野木教授が指摘したように、独占禁止法上の法解釈という議論で事は足りるはずである。
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なぜヤマト運輸は敗訴濃厚の裁判を起こしたか?(2)(By foresight1974)
2004年 10月 03日
第1に、株主や市場への説明責任を果たすためである。コンビニエンスストア業界第2位のローソンに振られ、ゆうパック取り扱いが始まるのを指を加えて眺めていたら、株主や市場から信認を問われかねない。不当な取引によって損害を受ける恐れが強まったならば、ただちに法的措置を取って会社財産の保全に努める善管注意義務(商法254条3項 これに違反した場合は民法415条にいう債務不履行責任を問われる)に従った判断であるといえる。有パックのコンビニ取り扱いを日本郵政公社が発表する前日にこうした措置をとったのは、まさにこの点にある。
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なぜヤマト運輸は敗訴濃厚の裁判を起こしたか?(1)
2004年 10月 02日
その理由は、9月29日付日本経済新聞朝刊において、野木日大大学院教授のコメントが明らかにしている。
第1に、宅配便市場のシェアトップであるヤマト運輸が、たかがシェア5~6%に過ぎない、日本郵政公社の宅配便のコンビニ取り扱い参入によって侵害されるとは認定されにくいこと。
第2に、消費者の利益からみて、日本郵政公社の設定した価格が市場を著しく下回るものとは認定しにくいこと、である。
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挑戦つきることなし(By foresight1974)
2004年 09月 28日
筆者がこのニュースに接してまず思い出したのは、高杉良氏の小説「挑戦つきることなし」だった。
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