歪な耐震偽装逮捕劇に思う「共謀罪なんてホントにいるのか!?」
2006年 04月 29日
しかし、逮捕された8人の容疑は、名義貸しや見せ金増資など、典型的な別件逮捕であった。
見せ金増資に容疑にいたっては思わず吹き出してしまった司法関係者もいるのではないだろうか。こんなことで逮捕されるなら、メガバンクのトップだって逮捕されなければなるまい。司法当局の「サジ加減」で、個別事件の合法・違法を決められる病理的弊害を如実に示している。
それでは、「本件」と思われる耐震偽装に絡む詐欺罪の適用はあるだろうか。
現時点では、非常に難しいといわざるを得ない。なぜなら、肝心の「絵」を描いた人物が逮捕されていないからである。
総研の内河所長である。
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尼崎脱線事故・誰が「責任」を取るべきか
2006年 04月 27日
知人に巻き込まれた人がいない筆者でも、あの生々しい光景を昨日のことのように思い出すことが出来る。
尼崎脱線事故から1年。
誰一人法的責任を問われることがなく経過した昨日、事件の本質を突く動きがあった。
共同通信が配信した「日勤教育で苦痛」と提訴 JR西運転士らというニュースだ。
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経済報道解読ノートレビュー「ようやく「家計革命」が始まった」
2006年 04月 23日
キ文が注目したのは、「家計の配当所得、利子所得を超す」という日本経済新聞とニッキンが伝えたニュースだった。
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Foresight06年5月号「始動した国際刑事裁判所が断罪する暴君たち」レビュー
2006年 04月 20日
今回はその中から、フレッド・ブリッジランドのレポート「始動した国際刑事裁判所が断罪する暴君たち」をご紹介する。
2002年に設置されたICC(国際刑事裁判所)は、アメリカ、日本、中国、インドの批准拒否に遭いながらも、常設の国際法廷として「人道に対する罪」を犯した者達を裁く場として機能し始めた。今、ここでは、アフリカの国家元首クラスの犯罪者たちを逮捕・起訴して裁判に持ち込んでいる。
人類史上初めての挑戦である。
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民主党女性候補への中傷ビラ問題にみる「この国の民度」
2006年 04月 17日
内容は、高校時代は暴走族のヘッド、元キャバクラ穣といった内容で、このオッサン受けする中身の詳細は、4月15日付夕刊フジが詳しく取り上げている。
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foresightの憲法哲学(21)「憲法問題における裁判所の役割(4)」
2006年 04月 15日
こうした、合憲限定解釈の考え方はこの時代に始まったことではない。もともとは、憲法学にいう「ブランダイス・ルール」―憲法判断回避の準則の中にあるルールの一つである。
「議会の法律の効力が問題になった場合は、合憲性にすいて重大な疑いが定位されても、裁判所が憲法問題を避けることが出来るような法律の解釈が可能かどうかを最初に確かめることは基本的な原則である」
実際、昭和40年代中盤に多発した公務員の争議行為に関する事件において、最高裁はこうした手法で被告人を無罪にしたものがある。このときは、優れた判決として学会やリベラル勢力からも歓迎された。
しかし、寺田―矢口の時代に、なぜこうした判断が批判の対象にされたのか。
それは、端的に言えば「事件の読み」の違いによるものといえる。
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インテリジェンス、ワイ・キューブに縋っても「幸せになれない人たち」
2006年 04月 12日
昨晩放送された「ガイアの夜明け・できる新卒を採れ」で、何とも頭の痛くなる二つの会社の「話題の人材系ビジネス会社」がご登場された。
人材総合サービス中堅・インテリジェンスと人材コンサルティング会社のワイ・キューブである。
最初に登場したのは、もうすでに「ベンチャー」という企業規模ではないインテリジェンスの採用マン。
ただ単に、サークルの新入生勧誘のノリで採用活動をしているだけの人物を、「伝説の採用マン」に祭り上げるテレビ東京の編集能力に脱帽、と皮肉を言うことも簡単だが、この前半のエピソードで学ぶべきことは、学生という生き物がいかに社会を見る目に欠け、付け入ることが簡単な存在か、という現実なのであろう。さすがに、上原が用いる、そして業界では広く知られた「面接の手の内」をご開帳とはならなかったが、オープンで熱い会社というを、視聴者に植えつけることには十分成功しただろう。
後半には、もっと胸の悪くなる光景がテレビの中で展開された。
新卒採用コンサルティング会社のワイ・キューブにコンサルティングを依頼した、ある中小企業経営者の奮闘である。
おそらくは、経理のケの字も、ファシリティ・マネジメントのファの字も知らないであろう、「ペーペーのクソガキ二匹」に引越せだの制服を辞めろだの言われて難渋している社長を見て、コンサルティングと詐欺師は紙一重の世界に生きている、と改めて認識した。
このビデオをあの二人にもう一度、10年後に見せてあげたい。
あの時の無邪気な言葉が恥ずかしくならないのか?と。
そして、その責任はあの二人にあるだけではなく、事ここに至るまで人事採用の重要性に思いいたらず、好景気の今ごろになって人事採用に悩む経営者の先見性のなさと無知にあるのだ。
インテリジェンスの鎌田、ワイ・キューブの安田。二人の経営者は個人のレベルで測る限り、魅力的な人物であることに異論はない。だが、ここで問うべきは彼ら個人の魅力ではなく、彼らが作り上げた会社で働くことが、入ってくる学生を本当に幸せにするのか?この会社に新卒採用という会社の重大事を託すことが、果して正しい経営判断か?ということだ。
テレビで見た限り、この二社が学生たちや新卒採用に悩む経営者に対して、その点の説明責任を果たした形跡はない。
現実社会に生きる私から言わせれば、前者は「丸の内の田舎者」、後者は「渋谷の田舎者」である。それ以上でもそれ以下でもない。