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村上ファンド「強制捜査」への疑問

 個人的には半信半疑だった疑惑が急展開を帯びてきた。
 もともと、こうした「疑惑ネタ」の予想的中率は悪い。今回も、強制捜査までいかないんじゃないかと思っていたのだが。。。

 それにしても、疑問がつきまとう。
 今回の疑惑で、誰が村上を裏切ったのか?



 村上ファンドに対する捜査の法律上の論点は、47th氏の「ふぉーりん・あとにーの憂鬱」にゆずるとして、ここでは証拠収集上の問題をいくつかコメントしたい。

 最近、気になっていることは村上ファンドの内部者からと思われる情報漏れが多くなってきたことである。
 特に、阪急電鉄との、阪神電鉄株のTOB交渉の情報漏れはひどかった。村上自身も激怒したと伝えられているが、そうした意味で特捜部の強制捜査を許す「スキ」はあったといえる。
 インサイダー取引は、立件において内部者の証言は非常に重要であり、捜査の帰趨を左右するといっていい。特に、村上ファンドの場合、村上自身がメールを滅多に使わない人物だったことを考えると、立証に大きな壁がある。

 現在の検察からのリーク情報が、そもそも村上ファンド内部の「裏切り者」からだとしても、その人物は、村上と堀江に非常に近い人物と考えられる。
 そうなると、ほとんど数名の重要人物に特定されるはずであり、検察がその人物の身柄を確保して、すでに供述を取っているのでなければ、今回の強制捜査は、単に村上世彰国外追放の「セレモニー」になってしまうだろう。

 もう一つ、物証として重要になるのが売買記録である。
 検察側はすでに、証券会社から村上ファンドの売買記録の任意提出を受け、分析を進めているとのことである。捜査実務では、強制捜査を行う前に、立証で重要になる物的証拠を任意提出という形で確保することが常識である。
 検察側が強制捜査情報を平気でリークしているのは、一つは事前に世間に周知することによって、ライブドア強制捜査事件のような市場へのショックを限定化する目的があるだろう。だが、もう一つの理由として、すでに任意提出を受けた物的証拠の中に、立証段階で重要な物証を確保した可能性がある。
 この場合、週明けに行われる強制捜査は、任意提出では確保できないタイプの証拠(電子メール)の捜索・差押が目的になるだろう。

 いずれにせよ、内部者の具体的な供述なしには「上がらない事件」である。
 そして、構図としては「いつか来た道」―。80年代後半かに跳梁していた「バブル紳士」たちの末路と重なる事件になりそうである。
by foresight1974 | 2006-06-05 01:29 | 正義の手続を考える

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