ヘッドハンターの法律問題

 来週、ヘッドハンターと生まれて初めて接触する人間が言うのも何だが、この業界をどうも好きになれない。

 身近な業界であるだけに、虚業っぽい匂いを嗅いでしまうのである。




 ヘッドハンターは、人材紹介業の一種で企業に対し、特定の人物の採用斡旋を行うビジネスである。
 一般の人材紹介会社は、数多くの登録者とクライアント(企業)を集め、お互いにジョブマッチングさせる事業であることに対し、ヘッドハンターはある1つ企業の意向を受け、ターゲットとなる人材をなるべく多くその企業に紹介する事業である。
 前者の場合、有料職業紹介事業の事業許可を取得しなければならないが、ヘッドハンターの場合は必ずしもそうではない。フリーランス(個人事業主)の場合、ある企業との人材採用に関する請負契約ないし業務委託契約を締結すれば営業可能である。理屈の上では元手ナシで始められる事業なので、平成9年に紹介業が自由化されてから、雨後の筍のようにヘッドハンターが増加した。

 外資系企業も、日曜日の全国紙に求人広告を出すことが多いが、翌日の月曜日から数日間、人事部は仕事にならないという。
「問い合わせの電話が殺到するからですが、それは求人への応募者からではなく、雨後の筍のように増えた、ヘッドハンティング会社からなのです。」
 (中略)
 (競争の激しい業界で生き残るため)新聞の求人欄に目を凝らして何とか一枚噛もうという業者も多い。中には、いもしない人物の履歴書を見せて、いかにも良い人材を抱えているかのように装い、企業から着手金を得ようとする業者もある。悪徳不動産屋と似た手口だ。
(「ヘッドハンターの心得とは」Foresight2004年5月号 新潮社)

 まだある。
 最近、個人情報保護法のおかげで人材ビジネス業界も個人情報保護にうるさくなってきたが、それでもこの業界は端から見ると意外なほど個人情報にルーズな世界だ。日々多くの人に会い、大量の個人情報を当たり前に扱うので、感覚が麻痺する人が多い。ヘッドハンターを使って転職した人を知っているが、一度ヘッドハンターの紹介を受けると後が大変だという。あたかも多重債務者のように業者の間で個人情報が出回り、よってたかって「次の転職先」を紹介する電話がかかってくるようになるからだ。ちなみに、私の場合は電話がかかってきたのではない。あるツテでスカウトメールをもらったのである。最近は転職サイトなどでそうしたサービスを展開している会社もあるので、ヘッドハンターと接触する場合は、そうしたサイトを介したほうがより安全ではある。(確実とはもちろん言い切れない。転職サイトも商売なのだから。)

 もちろん、ヘッドハンター業界にも事業がしっかりしていて、ヘッドハンター自身も見識の高い方はいる。そういう方はテレビなどに露出することは滅多にない、というのも弁護士業界と同じである。(笑)
 「求めよ、さすれば与えられん」は人材ビジネス業界では一応真理である。ただ、求める数が大変なだけで。。。(苦笑)
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by foresight1974 | 2005-10-22 06:14 | ビジネス法務

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