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だから八百長だと言ったのである

 別に選挙結果にショックを受けたあまり引きこもっていたわけではないが、最近は引越しなどによる多忙のためブログをしばらく更新できなかった。とても残念である。
 本来ならば、選挙の前に自分の意見を明らかにして、皆さんに今回の解散の是非を問いたかったからだ。

 今回の選挙結果には非常に失望した。衆愚などと軽々しく言えることではないが、そうではなくても、大衆にも多くの欠点があり、今回の選挙結果にその一番悪いところが出てしまったような気がして仕方がない。この点は、谷藤早稲田大学教授がアサヒ・コムに詳しく述べているのでご参照いただきたい。

 とにかく、今回の選挙について自分の見解が世の中に受け入れられるものではなかったことがとても残念だ。



 結局のところ、一連の顛末をみても私の見解は揺らぐことはなかった。国民は騙されたとまで言うつもりはないが、少なくとも今回の投票行動はあまりに近視眼的になされたといっていい。それほど今回の結果は甚大である。

 今回の選挙結果により、憲法理論上は衆議院の議決だけであらゆる法律案の通過が可能となった(憲法上の規定により、参議院で法律案を否決しても、衆議院で再び3分の2を超える再可決で成立可能になったため)。問題なのは、こうした強大な権限が郵政法案以外の問題にも波及し、理論上は4年間、自民党の政治的独裁がほぼ可能になったことなのである。
 自民党はやろうと思えば、憲法改正や戦争、労働者の残業代カットや増税にまで踏み込むことが出来るのだ。

 そうした伏線はすでにいくつか張られている。憲法についていえば、自民党はすでにかなり復古主義的な憲法改正案を発表している。このまますんなり発議に持ち込めるとはさすがに思っていないだろうが、障害は大きく取り除かれたのは間違いない。六カ国協議についても、アメリカ政府高官が先週末に北朝鮮の核の平和利用の権利を認めないことを明らかにしている。打開の道はほぼ閉ざされつつあるとみていい。
 また、先週金曜日の日本経済新聞朝刊で労働契約法なる新法が検討されていることが明らかになった。労使間で協議会を設置したり、解雇ルールの金銭的解決などが主な柱となっているが、その中に労働基準法で定めた時間外労働の賃金支払いルールの改正もしっかり組み込まれている。裁量労働制などの導入でサービス残業規制の骨抜き化がいよいよここまで来たという感じだ。
 増税については、すでに自民党の税調が増税の提言を打ち出している。政治通の方ならお分かりかと思うが、こうした提言はアドバルーンではなく、レールが敷かれたというゴーサインである。

 結局のところ、今回の一件はrakudaht氏が「駱駝なる日々」で述べているように、「国民の声を聞いてみたい」と語ったことが全てだったといえるかも知れない。それに対し、民主党の選挙コピーが「日本をあきらめない」ではあまりにセンスが悪すぎた。岡田克也という政治家のキャラクターは個人的に私の好みであるのだが、これは欠点の部分がもろに出たといえる。岡田はこれで終わるには惜しい男だ。この痛みを乗り越えて、一回り大きくなって国政の表舞台に上がってきてほしいと願っている。

 しかし、民主党が立て直しを図るとしても、今回の選挙結果はあまりにひどかった。野党側の打撃は、1985年に中曽根内閣が衆参同日選挙を強行して大勝した事件に匹敵している。小沢や菅が選挙前に一時期「岡田下ろし」に動いていたのは、いかに控え目で穏当な表現を用いたとしても、身の程知らずの愚行というほかない。あのような者たちは、早々に政治の舞台から退場するべきである。

 冒頭で、今回の選挙結果に非常に失望したと書いたが、別の見方をすれば、今はリベラリズムが日本社会に受け入れられるための必要な試練であるともいえる。本当に強くなるためには、夢をみるのではなく、できることをしっかりやるべきなのである。
 そういう意味では民主党の「日本をあきらめない」というコピーは今こそ、正しい意味で用いられるべきかもしれない。健全な民主主義の再生を目指す戦いはもう始まっているのだ。
by foresight1974 | 2005-09-13 23:44

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