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リクルートとニートとスローキャリアと(By foresight1974)

 会社が人材ビジネスに関わる仕事をしている関係で、各種の求人雑誌、チラシ、Webなどの媒体の情報が毎日のように入ってくる。
 特に目を引くのがリクルート関係の媒体だ。「ビーイング」の表紙見出しには、「28歳までの勝ち組の条件」「30歳までのキャリアアップ」といったような、転職を考えるビジネスパーソンを刺激するような文句が目を引く。



 こうしたビジネスに携わっている人間が言うのもおかしな気がするが、果たして、こうしたキャリアパス、キャリアプラン通りに生きている、成功しているビジネスパーソンがいったいどれくらいいるのだろうか、大いに疑問に感じている。実は私自身、司法試験を受験しながら30歳まではいろいろな会社に派遣社員として働いてきた。もし、司法試験を断念したらどう生きくべきか、などと横着な悲観をしたこともあったが、今までの職歴を生かして人材ビジネスの総務稼業に身を投じてみると、望外の充実感を得ていたりするものだ。それまで、いわゆるキャリアプラン、「5年後の自分のイメージ」なるものは、気にしないわけではなかったが、自分の転職が成功するまでまるで役に立たなかったのである。

 最近、ニートという言葉が盛んに聞かれるようになった。ニートとはNot in Education, Employment or Training (NEET)の略で、日本語では若年層無業者と訳されている。アルバイトをしていて正社員として就業する意思の無い者(フリーター)とは異なり、就職する意思がなく職業訓練もしていない若者を指す言葉だ。
 彼らに対して「反社会的で享楽的な遊び人」「引きこもり」といったような偏見をもたれていることも多い。が、それはニート全体のごく一部に過ぎず、問題の決定的な部分ではない。

 「スローキャリア」(PHP研究所)の著者の高橋俊介は、この中で学生の典型的な持っているキャリアに関する悩みを4つに分類している。

1、焦り症候群(勝ち組に入ることを強く意識するタイプ、学部卒業後にすぐMBAを取らないと勝ち組になれない、などの思い込みを持っていることが多い)
2、逃避症候群(強い意識を持っていることは1と同じだが、スタートラインに立つ前から、どうせ勝ち組になれないと諦めている。フリーター、ニートに多いタイプ)
3、思い込み症候群(勝ち組にならなくていいから、自分らしさを大事にしようというタイプ。発想はともかく、茶髪を通すことが自分らしさである、などと都合のいい勘違いしているタイプが多い。就職に失敗するとニートになりやすい)
4、考えすぎ症候群(「あなたの5年後のキャリアゴールを具体的に書きなさい」という質問に思い悩むタイプ。分からないと自分がダメ人間だと自己嫌悪に陥りやすく、就職に失敗すると、2や3に走りやすい)

 いかがだろうか。実は、ニートやフリーターと呼ばれる若者達の多くは遊び人でも引きこもりでもない。多くは根は真面目な若者で、将来のことをいささか深刻に受け止めすぎているのである。

 そこで、冒頭のリクルートの求人雑誌に戻ろう。雑誌の謳い文句は就職や転職を目指す人にとっては刺激的にも見えるが、若者にとっては、それは強迫的にも見えているのであろう。こうした関係が幸福なものとはとても思えない。

 いずれ、当ブログで、スローキャリアと人材ビジネスと若者たちとの幸福な関係とは何か、ということについて話をしてみたいと思っているので、ご期待いただきたい。
by foresight1974 | 2004-10-09 00:06 | 働く人々の「権利」を考える

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