公正取引委員会は名を捨てて実を取ったか?(By foresight1974)

 市場の番人(実際の実力は遠くそれに及ばないが)たる公正取引委員会の機能・権限の強化を目指した独占禁止法改正案が、とにもかくにも決定した。

 最大の攻防点は、課徴金を欧米なみに引き上げる点であったが、経済界の強い反対で小幅にとどまったことは大変心残りではある。タレントのみのもんたが経営する水道工事会社は、談合の疑いでこの10年で3回の立入検査を受けているが、行いを改めたという話は聞かない。談合をしないことより、課徴金払った方が安いからである。




 しかしながら、違反行為の自己申告制度に対する減免制度導入や、強制調査権限の導入など、(このまま成立すれば)画期的な制度導入が図られている点もある。だが、実際にはこうした手法は陰に陽に、さまざまな法律を駆使して行われてきたものの、決定的な部分で事件解明を阻んできた。
 
 今後、法律が整備されてきたら、たとえ罰条が軽微な違反行為であっても大きな社会的責任を問われることになる。場合によっては企業の存続を脅かすことになるかもしれない。雪印の事件は、犯罪行為としては傷害罪より軽い罰条であるにも関わらず、グループ会社が経営破綻に追い込まれている。

 残された課題もある。公正取引委員会の独立性と審査能力の向上である。
 現時点でも数多くの省庁出向者を受け入れ、委員長は財務省と法務省からの事実上の「天下り」である。この状態では、独禁法違反の温床となっている「官製談合」というような悪質な違反行為を摘発できる独立性を維持できるか疑問である。
 また、航空業界のJALとJASの経営統合に際しての審査にもみられたように、国策的に行われている企業再編に、健全な市場環境が育成されるような審査が行われたか非常に疑問も残る。実際に、この統合が行われた数年間で、エア・ドゥをはじめ、数社のベンチャー系航空会社の経営が破綻している。

 ただ、独禁法のような専門性が特化されている法律分野にも、これからは経済界の一線で働いてきたビジネスマンがロースクールを出て入ってくる可能性も考えられ、決して悲観する状況ではないと考えられる。その歩みが欧米の司法当局のようなダイナミズムを生み出すにはまだまだ足りないとしても。
by foresight1974 | 2004-10-06 00:06 | フリー、そしてフェア・トレード

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