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 さて、これまでみてきたように、極端な反対者を「仮想的」とし、稚拙な論理で反駁するものの、自身が打ち出す「改革」政策はどれもピント外れ。
 これが、この1年で安倍政権がやってきたことである。

 その最たる例が、「親学」提言の一件であろう。

◇「親学」提言のポイント
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める


 もう、馬鹿らしさのあまり、論評する気にすらなれない。
 さすがに、「愛国」大好き伊吹文部科学大臣も苦言を呈して最終報告には盛り込まれなかったそうである。

 だが、この「提言」にこそ、安倍政権の本質が隠されている。
 それは、「独善」である。

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by foresight1974 | 2007-07-26 00:41 | サイレント政治・社会評論
 第二に、安倍政権が引き継いだ小泉構造改革路線は「新自由主義」ですらない、マガイモノの「改革」だという危機感だ。

 これは、「NHKドラマ「ハゲタカ」補論(2)・法の下の巨大な不平等」に関連して指摘しておきたかったのだが、小泉政権後のいわゆる「構造改革」は、田中政権後の経済の均衡拡大路線=財政バラマキ路線の歪んだ焼き直しにすぎないのではないだろうか。
 例えば、小泉政権で成し遂げられた(と思われている)二つの大きな「民営化」―道路公団と郵政事業であるが、いずれの改革も成功したといえるだろうか?新規参入で競争が促進されただろうか?電力は?金融は?ライブドアの堀江貴文に実刑判決が下る一方で、それ以上の組織手かつ悪質な不正会計が発覚した日興コーディアル証券は逮捕者が出るどころか、今ものうのうと上場している。
 新しい企業が参入して業界が「活性化」した例は絶無であり、特に道路公団と郵政事業は、民営化された後も新しい利権を手に入れて見事に「焼け太り」つつある。
 これは、小泉純一郎が偉そうに啖呵を切って「郵政解散」と名づけた時点で、すでに勝負あった。
 解散を断行した当日、彼は亡くなったばかりのヤマト運輸元会長・小倉昌男のお別れ会に出席している。だが、そのときすでにヤマト運輸は郵政事業への不参入を決定していたのである。その後、郵政公社はコンビニエンスストアにまで郵便ポストを設置して、民間業者のメール便事業を大きく圧迫し続けている。

 90年代後半からの一連の自民党の「改革」政策は、市場を拡大し、競争が活性化して消費者に利益が還元されるような成果はほとんどみられていない。
 小泉政権当時、安倍晋三は自身が最も不得意とするところである経済関係の閣僚を一度は経験してみたかった、といわれている。しかし、(1)で見せたような無能ぶりではとても務まらなかっただろうし、結局は、安倍は小泉純一郎にとって都合のいい客寄せパンダに過ぎない。「改革」を連呼しても、改革の何たるかを語ることはできないのである。

 その政策をこのまま続けても、拡大していく格差社会を食い止めることはできない。安倍晋三は、この対策の切り札として「再チャレンジ」なる頭の悪いネーミングの政策を実施しようとしている。だが、実効性のありそうな政策は出てこなさそうな気配である。
 フリーターやニートの問題は、景気が良くなったから雇用を増やせば解決する問題ではない。山田昌弘が「希望格差社会」で指摘したように、彼らの最大のネックはエンプロイアビリティ(就業能力)だ。その能力に対する自己信頼が深刻なレベルで失われているのである。
 この点をサポートするには総合的で息の長い教育政策が望まれる。しかし、安倍晋三が教育基本法に盛り込んだのは「愛国心」。もちろん、こんなもので彼らの希望が満たされるわけがない。

 また、最低賃金や残業時間割増賃金の引上げなど、一見有効にみえる政策も、実はピントがずれている。なぜなら、日本の企業社会で横行しているのは、サービス残業にみられる賃金の踏み倒しだからである。したがって、これらの対策は実は何の有効性もないばかりではなく、現在浮かび上がりつつあるサービス残業問題が再び水面下にもぐりこみかねない。本当の対策は、残業代を払わない経営者に対する厳罰化や制裁金の制度だが、いずれも自民党は消極的である。
 非正規雇用の拡大や働き方の多様化といった社会の変化に、自民党政権の政策は一貫性を著しく欠いており、かつ場当たり的である。
 小泉政権の成立当初、最初に話題になった政策は何だったか、皆さんはご記憶にあるだろうか?「ワークシェアリング」である。
 もちろん、6年間たなざらしにされている。

 失われた10年ののち、歪められた改革政策で格差が拡大し続けているのが今の日本である。「愛国心」から再チャレンジにいたるまで、余計なお世話ばかりで、本質的なところに目を向けられていない。

(3)につづく
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by foresight1974 | 2007-07-24 22:04 | サイレント政治・社会評論
 北海道大学公共政策大学院准教授の中島岳史は、専門のヒンドゥー・ナショナリズム研究だけではなく、現在の日本社会にも鋭い問題提起を投げかけている。

 彼のブログ「コールタールの地平の上で」では、7月1日の記事「参議院選挙の争点」の中で、以下の2つをしっかり問うべきだと述べている。

1、イラク戦争の総括
2、格差問題と新自由主義政策の是非

 「表層的で薄っぺらなことばを連呼する政治家に、憲法改正の発議が確実な6年間の政治を任せてはいけません。有権者もそのときの「気分」ではなく、地に足の着いた「思考」によって投票に挑むべきです。」という主張には大いに共感する。

 ささやかながら、この呼びかけにお応えして、私がこの選挙にどのような「思考」で投票に挑もうと考えているか、書き記しておきたい。

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by foresight1974 | 2007-07-24 02:03 | サイレント政治・社会評論
 傍目からは異常なまでの執着心にみえたが、ついに教育基本法の改悪が強行されてしまった。
 憲法や人権を守る大きな砦の一つが陥落したとみることもできるし、リベラル・革新陣営は怒りの声を上げている。しかし、圧倒的な実力差を考えると、いずれは覚悟すべき事態だったともいえる。

 とはいえ、教育基本法を改悪したところで、当面は大きな変化を心配しなくてもいいのではないかと考えている。
 というのも、保守の思惑どおりに教育を変えようとしても、そこにいる人間を明日からどかすわけにはいかないからである。

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by foresight1974 | 2006-12-17 18:25 | サイレント政治・社会評論
「拉致問題、NHKに放送命令へ 総務省、明文化の方針」(asahi.com)
 総務省は13日、NHKの短波ラジオ国際放送で、拉致問題を重点的に扱うよう、NHKに対する命令書に明記する方針を固めた。総務相は短波ラジオ国際放送への命令権限を持つが、個別具体的な項目の扱いを求めるのは異例だ。ただ、与野党から慎重論が出ている。


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by foresight1974 | 2006-10-14 17:44 | 表現の自由への長い道距
 ネット上のウヨクたちが喜び、飛び跳ねている。
 この数ヶ月、韓国国内の大騒動となったES細胞研究論文の捏造問題。当初、告発に踏み切ったテレビ局は、世論や政府からの総攻撃にさらされたが、真実が明らかになるにつれ、冷静な検証報道が増えてきている。
 それでも、依然として後遺症は深い。告発したテレビ番組に寄せられる反響の4割は依然として、捏造した教授を支持する意見だという。

 表現の自由について考えるところの多いこの事件。
 日本にも2年前に同様に、世論や政府からの激しい攻撃にさらされた人々がいたことを、ウヨクの方々はよもやお忘れではなかろうか?
 イラク人質事件は、たまたま「共産党員の息子」がその中に含まれた、その一事をもって「捏造」「自作自演」との攻撃を受け、政治家の口からも同様の発言が聞かれる始末となった。

 韓国と日本、いずれも高度なインターネットが発達していることと、近年急速に歪んだナショナリズムや偏狭な愛国心が蔓延るようになったことで共通している。
 そして唯一、結末に異なる点がある。韓国の場合は、そうした行き過ぎた思想風潮に修正が図られ、社会の成熟化を促す可能性があることに対し、日本の場合は、むしろこうした風潮が加速する状況を象徴する事件となったことである。
 その証拠にネットに溢れる「韓国ざまあみろ」の声、声、声。
 彼らのような罵詈雑言も、一応は憲法上の表現の自由の保障範囲内ではある。しかし、「公」やら「行き過ぎた個人主義の修正」やらの言葉が、同じ口から出てくるのであるから滑稽このうえない。

 彼らは気付くべきであろう。
 隣国を笑い者にしても、自分は幸せにはなれないということを。
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by foresight1974 | 2006-01-14 17:29 | 表現の自由への長い道距
 最近、2ちゃんねるで「人権擁護法案反対スレッド」なるものがあちこちの板に乱立している。
 スレッドの乱立だけではなく、まとめサイトもいくつか作られているようで、それなりに反響もあるようである。(例えば「人権擁護法案BLOG(臨時)」: http://blog.newsch.net/home/zk1/ など)
 しかし、上記ブログの左上には「在日参政権絶対反対」の赤文字が見え、右上には「差別利権」なる文字が見える。もう、これだけでしらけてしまう。結論だけとはいえ、自分と意見を同じくする人間がこんな低劣な連中かと思うと、正直脱力してしまう。
 

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by foresight1974 | 2005-03-15 23:49 | 表現の自由への長い道距
 さて、NHKの番組改変問題について、チャット上のお喋りで重要な示唆を受けたので、それを書き記しておきたい。

 話がいささか抽象的になるので、ここで各紙社説を比較検討することによって具体的に明らかにしていこうと思う。

 そもそも、私は人間的好き嫌いというレベルでウヨク的人々は大嫌いである。まあ、マユツバものとして読んでいただければ結構なのであるが、この問題に対する彼らの主張はおおよそ以下の点に要約される。

1、そもそも番組自体が公平ではない
2、安倍氏らは「公平にやってくださいね」と言っただけで圧力はかけていない
3、NHKは自主的に番組の改変を行ったのであり、朝日の指摘は捏造

このうち1については、筆者の1月13日のブログ「安倍晋三の発言にかいま見える「公平を装った無知」(By foresight1974)に詳しいので反論を省略する。

 今日は、このうちの2と3の部分について以下、論じていくことにするが、産経新聞は安倍氏と心中するらしく、1の部分の指摘しかないので今回は取り上げない。また、日経社説は他紙と主張が重なっているので省略する。

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by foresight1974 | 2005-02-11 19:53 | 表現の自由への長い道距
 1月13日のブログでお話したNHK番組改変問題について、本日までに、全国主要5紙(読売、毎日、朝日、日経、おまけで産経も入れる)の社説が出揃った。ここで非常に興味深い現象が起きていることにお気づきだろうか。

 各紙の社説を一度読み比べていただきたい(産経はご熱心に2本書いているが)。各紙の論証が全て正しいと仮定しても矛盾がないのである。つまり、各紙の見解は全て同列に成り立ちうる見解となっているのだ。

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by foresight1974 | 2005-01-19 00:38 | 表現の自由への長い道距
 本人達には不本意かも知れないが、最近、2ちゃんねるのあるスレッドを定点的に見守っている。
 「外国人参政権を阻止するオフ」はすでに6スレッド目となり、臨時国会に提出された定住外国人に地方選挙権を与える法案への反対運動を進める人達の「たまり場」的存在となっている。
 しかしながら、当事者達の奮闘とはよそに、この問題が世論的に盛り上がりに欠けている。それはどうしたことだろうか?

 私がこの運動を知ってまず思い出したのは、「癒しのナショナリズム」という本のことだった。

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by foresight1974 | 2004-11-23 18:32 | 表現の自由への長い道距

Let's think about day-to-day topics.


by foresight1974