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青色LED訴訟:9年後の再検証(2)/中村修二のノーベル物理学賞受賞への「疑問」・上

あの記事を書いたもう一つの理由は,これまで知られていなかった貢献者たち(断っておくが,私は中村氏の貢献を否定しているわけでない)に光を当てなければならないと感じたからだ。学会論文や公証人役場に提出された研究記録などの客観的な資料を見る限り,貢献者は日亜化学工業社内だけでなく,社外にもいる。彼らもまた「日経ものづくり」の読者と同じく技術者や研究者であり,知恵を絞り,手を動かし,悩み,戦い抜いて成果を挙げ,青色LEDの発明や製品化に貢献してきたのだ。彼らの成果や貢献は正当にたたえられるべきである。このままでは,青色LEDの開発の歴史から名前が消え,彼らの貢献が消えてしまう危険がある(実際,彼らの名前はおよそ10年間,メディアから消えていた)。それを傍観することは,記者として卑怯なことだと思ったし,私には絶対にできないことだった。
(近岡裕「青色LED訴訟の波紋(4)職務発明訴訟が技術者の「夢」か---検証能力を喪失したメディア(下)」日経ものづくりブログ2005年3月14日)



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# by foresight1974 | 2014-10-18 11:33 | ビジネス法務

青色LED訴訟・9年後の再検証(1)

もし国際的等質化を使命とするなら、経済的自由主義が目指すべきことは、何よりも技術を出来るだけ速やかに世界に普及させることに他ならない。特許制度を廃止するという発想はがそこから生まれてくる。
(村上泰亮「反古典の政治経済学」中央公論新社)
※キ文康隆「経済報道解読ノート」フォーサイト2001年9月号・新潮社からの重引用
※「キ」は、漢字「七」を漢字の「森」状に配した字。



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# by foresight1974 | 2014-10-12 19:28 | ビジネス法務

宇沢弘文が決して諦めなかったもの

新古典派理論では人間をたんに労働を提供する生産要素として捉えるという面が強調され、社会的・文化的・歴史的な存在であるという面が捨象されている・・・、したがって、自動車通行によって基本的な生活が侵害され、市民的自由が収奪されている、という自動車の社会的費用のもっとも重要な側面に十分な光を当てることができない。
(宇沢弘文「自動車の社会的費用」岩波新書)


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# by foresight1974 | 2014-09-28 15:49 | サイレント政治・社会評論

スコットランド住民投票が露呈した「過半数」という劇薬

われわれ、イギリスのような国に住む人間としては、国際関係のような大問題についても自分で考え、意見をまとめるつとめがあるのかもしれません。しかし、人生というのはそういうものでしょうか。庶民がすべての問題について「強い意見」を持つことなど期待できるはずがありません。(中略)そして、そうした期待は非現実的であるとともに、望ましいことでもないように思います。結局のところ、庶民が学び知りうることにはかぎりがあるわけで、国家の大問題について、彼らすべてに「強い意見」を示すように望むのは、賢明なこととはいいがたいでしょう。
(カズオ・イシグロ「日の名残り」)


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# by foresight1974 | 2014-09-20 10:13 | 憲法哲学

従軍慰安婦誤報問題 産経・読売・文春・新潮の右派メディアが掴んだ「空疎な勝利」

 あせって不可せん。頭を悪くしては不可せん。根気ずくでお出でなさい。世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますが、火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです。決して相手を拵えてそれを押しちゃ不可せん。相手はいくらでも後から後からと出て来ます。そうしてわれわれを悩ませます。牛は超然として押していくのです。何を押すかと聞くなら申します。人間を押すのです。文士を押すのではありません。
(1916年8月24日付 夏目漱石から芥川龍之介・久米正雄に宛てた手紙)


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# by foresight1974 | 2014-09-14 00:27 | 9条問題

真理を決定するものは、真理それ自体であり、それは歴史を通して、すなわち人類の長い経験を通して証明せられる。(藤林益三)


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