絶対的平和主義が成立する前提を考えると、一般にはいわゆるユートピア的な状況が想定されがちだ。軍事力の強い国が弱い国を踏みにじってきた歴史が過去に数多く存在することを考えると、そうした想定をすることは自然ではある。
 が、ここで考えたいのは絶対的平和主義が成立「しうる」前提である、ということである。絶対的平和主義も抑止力による平和主義も、最終的には民意に委ねられた政治家の意思によって決定される。その意思決定が可能な範囲がどの程度存在するかを明らかにするのが本稿の任務である。
 絶対的平和主義は、軍事力による防衛という手段を放棄する政策である以上、その政策決定が可能であるには、常に周辺国との間で1つの共通認識が必要である。それは、軍事的攻撃の誘惑より平和を維持する魅力が常に勝っていなければならない、ということである。それはいったいどのような前提があれば可能だろうか?

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# by foresight1974 | 2010-03-28 09:57 | 憲法哲学
 【バグダッド=岩田智雄】イラクの首都バグダッドで、米軍の掃討作戦や武装勢力のテロ攻撃の陰でイラク人社会からも国際社会からも見捨てられ、すさんだ暮らしに身を沈めている青少年たちがいる。彼らはサダム・フセイン政権の弾圧や度重なる戦争で家族を失い、廃虚となっている雑居ビルの地下室に集まってきた。そんな“ストリート・チルドレン”に、北海道千歳市出身の日本人女性、高遠菜穂子さん(三三)が単身、救いの手を差し伸べている。
(産経新聞/2004年1月6日/北海道千歳市出身・高遠菜穂子さん(33)・バグダッドで少年たちを単身救済・「医者でもない私ができることを」より)


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# by foresight1974 | 2010-03-04 00:12 | サイレント政治・社会評論
我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
(教育基本法/前文)


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# by foresight1974 | 2010-03-03 18:51 | サイレント政治・社会評論
 「神学論争はやめよう」という議論は、政府解釈を骨抜きにして解釈改憲をさらに進めることで、軍事法制の整備に関する支配層の「思惑」を実現する手法だといえる。(中略)妙なネーミングだが、「法解釈をする気のない解釈改憲論」と呼べるだろう。
 他方、解釈改憲最悪論は、神学論争をこれ以上続けるべきではないので、明文改憲をするべきと論ずる議論である。この意味で、神学論争批判と解釈改憲最悪論は「神学論争はやめよう」という主張を共有していながらも、その処方箋は一見、正反対である。前者は解釈改憲を提唱し、後者は明文改憲を提唱するのだから。
 しかし、すでに指摘したとおり、軍事大国化を熱望する人びとは、解釈改憲のさらなる濫用と明文改憲の実現という二兎を追っている。よって、現代改憲状況の下では、神学論争批判と解釈改憲最悪論は共犯関係にある。
 (愛敬浩二「改憲問題」ちくま新書)


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# by foresight1974 | 2009-05-03 10:41 | 9条問題
「自主自律の観点でNHKに問題」 BPO検証委が意見

 従軍慰安婦問題を民間人が裁く民衆法廷を取り上げたNHK番組の改変問題で、NHKと民放でつくる第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会(委員長・川端和治弁護士)は10日、NHKが放送前に政治家に番組内容を説明した点などに「NHKの自主、自律の観点から問題があった」とする意見を出すことを決めた。意見書は今月中に出す予定。

 この「ETV2001 問われる戦時性暴力」をめぐっては、01年1月の放送前に安倍晋三官房副長官(当時)と面会したNHK幹部がこの番組について説明したことが、東京高裁判決で認定されている。

 さらに、05年当時のNHK放送総局長が「NHK予算は国会承認を得るとした現行法の下で、国会議員に事業計画や個別の番組について正確に理解してもらう必要がある。事前説明は当然」と記者会見で発言。NHK会長が「当然ではない。好ましくない」と後に修正したこともある。

 BPOの検証委は、こうした事実をもとに議論。NHKの姿勢が、放送の不偏不党や自律を定めた放送法などに照らして、問題だったと判断したとみられる。

 BPOは取材・制作のあり方や番組内容の問題点を審議し必要に応じて意見を出すが、意見に強制力はない。


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# by foresight1974 | 2009-04-27 00:00 | 表現の自由への長い道距
 言論による侵害に対しては,言論で対抗するというのが表現の自由(憲法21条1項)の基本原理であるから,被害者が,加害者に対し,十分な反論を行い,それが功を奏した場合は,被害者の社会的評価は低下していないと評価することが可能であるから,このような場合にも,一部の表現を殊更取り出して表現者に対し不法行為責任を認めることは,表現の自由を萎縮させるおそれがあり,相当とはいえない。
(ニフティ「本と雑誌のフォーラム」事件・東京地裁判決平成13年8月27日)

 自らの意思で社会に向かって発言する者は,当然,自己の発言・主張が反対の立場の者から批判され,反論されることを覚悟しなければならない。名誉毀損となる人格攻撃がされたとしても,批判や反論は,論争点に関連している限り,許容される。節度を越えたかどうかは,論争の聴衆によって判断され,論争の場に自ら身を置いた以上,批判には対抗言論で答えるべきであり,公権力を借りて批判を封じるようなことは,よほどのことがない限り許されない。
(ニフティサーブ「現代思想」フォーラム事件・東京高裁平成13年9月5日)


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# by foresight1974 | 2009-01-18 23:03 | 表現の自由への長い道距
 首都から北西400キロ、チグリス川のほとりに広がる北部最大の都市モスル。様々な宗派や民族が幾世紀も共存してきたが、いま非イスラム教徒の少数派の脱出が続く。

 古くから伝わる少数宗派ヤジディの信者、主婦バラン・ハルフさん(58)はモスルから25キロ離れたシェハーンという町に移り住んで2年近くがたつ。息子の工場が襲われ、信仰を同じくする従業員24人が殺されたからだ。

 「早く逃げろ、と隣人が車を出してくれた。死んだ夫の写真すら持ち出せなかった」。11人の子供を連れ、32年住み慣れた町を出た。以来モスルには戻っていない。

 昨年10月にはキリスト教徒の暗殺事件も起き、3週間でキリスト教徒1万3千人が逃げ出した。民主主義の物差しとされる少数者の権利が守られない状況が広がっている。

(朝日新聞2009年1月3日「〈連載―世界変動〉民主化、米国の挫折」より)


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# by foresight1974 | 2009-01-18 21:16 | 表現の自由への長い道距
まずは素直に喜びたい。
ペイリンが副大統領に選ばれなかったことを。(苦笑)

そして、アメリカ合衆国建国から200年あまり。「自由と民主主義」を国是とする国が、曲がりくねった長い道矩を経て、ついにアフリカ系アメリカ人から初の大統領を選出するに至ったことを。

今回の勝利は、2つの意味で民主主義の勝利と言って良い。
一つは、アメリカ社会を覆うカラー・バリゲードの大きな一つが、確実に取り除かれたこと。
もう一つは、「アメリカ社会の統合」を訴えた候補が勝利したことである。
これに比べ、ユウセイカイサンのように分かりやすい「敵」を作り出して、短絡的な二元思考に社会を分断し、利己的に「闘う政治家」を気取っている、最近の日本の政治家たちは何と薄っぺらいことだろうか。

この2つの意味で民主主義が勝利したことは、素直に評価したいし、それを惜しむつもりもない。

だ、だがちょっと待って欲しい。とも思う。
勝利の美酒に酔うのは、もう終わりにするべきじゃないだろうか?

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# by foresight1974 | 2008-11-24 01:09 | サイレント政治・社会評論
航空幕僚長更迭 田母神空将が3日付けで定年退職
11月3日21時5分配信 毎日新聞


 防衛省は3日、歴史認識に関し政府見解に反する論文を公表して航空幕僚長から航空幕僚監部付に更迭された田母神俊雄空将(60)を、同日付で定年退職とする人事を発表した。政府は国会審議や外交に与える影響を最小限に食い止める方針で、論文発覚からわずか3日後の異例の退職人事は早期の「幕引き」が狙いとみられる。


 すでに2週間前になる記事について今さら論評めいたコラムを書くのは多忙なゆえであるが、久々に頭が真っ白になるというか、頭がガクガクするような話に出くわした。

 論文をネットで閲覧し、まずその短さに吃驚。
 そして、これだけの短文にも関わらず、きちんとした日本語の文章として成立していない、「最優秀作品」の文章力に失笑した。(報道によれば、この懸賞論文の主催者と当人はよほど親しかったようであるから、最初から出来レースであったのであろう)
 だが、自衛官の中で最も有能で、最も「リアリスト」であらねばならないポジションにいた人物と知って戦慄したのである。

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# by foresight1974 | 2008-11-16 23:52 | 9条問題
閣僚に就任してから3日。
もはや、ぶったまげたとか、腰が抜けたとか、唖然としたというか、足して3乗したような気分だ。

最初に思った感想は、その発言の当否を別として、
「この人は閣僚を続ける気があるのか!?」
ということだった。

日教組の子は成績が悪くても先生になれる。。。
日本は単一民族。。。
成田空港反対派はごね得。。。
そして、日教組をぶっ壊す。。。

突っ込み所は満載だが、それ以前に今の時期と状況を考えて、このような発言が政略的に正しいかどうかの判断すらつかなかったのだろうか?
という疑問がどうしても拭えない。
麻生としては後ろから盟友に銃弾を撃ち込まれた気分であろう。
選挙に勝ちさえすれば、もっと自由に発言できたはずなのだが。。。

発言は勇ましい一方、日教組担当者との面会は「多忙」を理由に拒否する卑怯さ。
(成田問題に関する発言では千葉県知事と面会のうえで謝罪している。)
中山の「態度」は自己の「信念」をしっかり裏切っている。

このような小人についていろいろと論評を考えるのすら時間の無駄であるが、それにしても、自民党の政治家はここまで劣化したのか。
世襲やコネで口に戸が立たなくても、周りからチヤホヤされるということが、何と人を堕落させることだろうか。

そんなくだらないことを、この小人から学んだ気がした。
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# by foresight1974 | 2008-09-28 00:12 | サイレント政治・社会評論

Let's think about day-to-day topics.


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