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労働時間規制を大幅緩和──厚労省研究会が報告書
 厚生労働省の研究会は27日、労働時間規制の抜本的な見直しを求める報告書を発表した。法定労働時間を超えて働いた場合に割増賃金を支払う規制の対象から、管理職手前の会社員も除外できるようにする新しい制度を打ち出した。一般の労働者に関しては年次有給休暇の取得を促すなど健康維持に軸足を置いた。働き方の多様化や国際競争力の強化をにらむ企業の要請に対応したが、労働組合には反対論も根強い。(1月28日 日本経済新聞朝刊)


 昨年から何度かに分けられてアドバルーンを上げられている労働基本法改正問題。いよいよ外堀が埋まり始めたようだ。

 記事中に、興味深いくだりがあった。「課長代理」以上は裁量労働型として扱うという項目である。この役職、女性が就いている会社が非常に多い。課長候補生として扱う役職であるというほかに、要は「課長にするまでもないが、女性が仕切っている職場」には好都合の肩書きなのである。
 なんだか巧妙にはめられる予感がするのは私だけだろうか。
 
 この規制緩和の一連の流れの中で、法曹界はとても静かだ。労働法の大家である菅野和夫明治大学教授は、この労働契約法推進論者である。日弁連は態度を明らかにしていないし、現時点で、法曹界が一枚岩の態度を示したことはない。

 5年前、小泉純一郎が内閣を組織したとき、すぐに話題になったのはセーフティネット構築としてのワークシェアリングだった。
 しかし、未だセーフティネットは構築されず、ワークシェアリングにいたっては話題にのぼることすらない。現状の企みは、逆行しているのかもしれない。
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by foresight1974 | 2006-01-30 21:30 | 働く人々の「権利」を考える
 今回の記事で、ライブドア事件をいったんまとめておきたい。

 結局のところ、今回の事件の教訓というのは、私たちの「リテラシー」に尽きる。
 それは、堀江貴文という存在をどう評価するということについて定見のないメディアの右往左往、はしゃぎ方とけなし方に端的に表れている。
 メディアは思い出しているだろうか?フジテレビ会長の日枝が去年、ライブドアがニッポン放送の株式を大量に取得した際、「テレビの公共性」と発言した。あの言葉に、どれだけ多くの国民がシラけたか、ということをだ。

 また、そこから距離を置いて眺めているはずの私たちの、堀江貴文に対する評価も割れている。無論、様々な見方があっていいとは思うが、ここで深刻な事実を指摘しておきたい。それは、彼を擁護するにせよ、批判するにせよ、説得力を持って評論する数の圧倒的な少なさである。その証拠に、彼を批判する人々は、彼がいったいいかなる「罪」に問われるべきかについて、だれもその具体的罪状を列挙できていない。擁護する側は、「破壊者」「風雲児」という言葉を用いはするが、抽象的でやはり具体性がない。

 ライブドアに検察の捜索が入ったとき、六本木ヒルズを訪れた多くの人々はケータイで写真を撮り、ブログにアップした。それ自体は何ら悪いことではない。だが、結局のところそうした人々は、ケータイのファインダー越しにしか現実を把握していないのではないか。「ネットの自由」を謳歌しているはずの日本人の思考がいかに「不自由」なのかを象徴的に示してはいないか?

 情報を「主体的」に受け止めることの大切さ、を今一度訴えたい。
 当ブログでしばしば引用させていただくブログ「ふぉーりん・あとにーの憂鬱」作者・47th氏は、こうした事件に接するたび、「自分が代理人だったらどう行動するか」ということを考えるという。つまり、情報を主体的に受け止めるということはそういう努力のことであり、その積み重ねが「いざ」ライブドア事件が勃発したときに活かされるということなのである。

 そして、そうした努力はチンケな愛国主義的「教育基本法」改正などでは、決して教えられることはないだろう、ということも今一度、念を押しておく。

 
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by foresight1974 | 2006-01-29 23:16 | 正義の手続を考える
 私が大学時代、刑事訴訟法の講義で最も驚いた教えがある。
 それは、「取調目的で逮捕することは違法」ということだった。現実社会では、逮捕された被疑者が自供したかどうかがいつも問題にされているだけに、最初にこれを教わったときは、また法の理想と現実が乖離している事実に嘆息したものである。

 そして今、堀江貴文逮捕の報に接して、改めてこの疑問を投げかけてみたいと思う。

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by foresight1974 | 2006-01-25 00:25 | 正義の手続を考える
 1週間という異例の電撃戦だった。
 ライブドア強制捜査は、先ほど社長の堀江貴文が逮捕されることで、新たな段階に入った。通常、こうした経済事件の逮捕は実務担当者(課長クラス)の逮捕で人的証拠(供述証拠)を確保した後、経営トップを逮捕するという手順を踏むが、いきなり経営トップを逮捕する捜査手法は、改めてこの事件がある種の「異常さ」を抱えていることが浮き彫りとなった。

 さて、話をもとに戻そう。
 ライブドア強制捜査が「別件」か「本件」かについて、47th氏から貴重なご指摘を頂いた。これに関連して、今月号(2006年2月号)の「Foresight」に掲載されたレポート「東京地検が探したライブドア「脱法」の鍵穴」をご紹介したい。
 47th氏は、今回の強制捜査を「本件」とお考えのようだが、私はそうは考えてはいない。というよりは、この事件が法律上の「本件」か「別件」かを考えることは本質的ではない。重要なことは、今回の強制捜査の「別件性」なのである。

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by foresight1974 | 2006-01-23 20:56 | 正義の手続を考える
 ライブドア強制捜査に対して、堀江の対応に疑問を持っていた。
 通常、こうした企業不祥事に対して強制捜査が入ると、経営側は「不正の存在は認めるが、組織の責任は回避する」という姿勢に終始することが多い。つまり、あくまで一個人の「行き過ぎ」であって「組織的犯罪」ではないことを強調するのだ。日本のサラリーマン社会の現実と真逆の、しかしながらとっても日本的な謝罪の姿勢は、不祥事の打撃を最小限に食い止めようという猿知恵である。
 それに対し、堀江は特捜部の捜査が入ってなお「不正の存在」を認めていない。正直なところ、ライブドア・フジテレビ問題のように、カラ元気から出たものか、はてまたクールな計算から出たものか掴みかねていた。

 それが、47th氏のブログ「ふぉーりん・あとにーの憂鬱」を拝見して疑問が解けた。単体決算と連結決算の差異、そして今回の強制捜査の手続保障の見地から疑問を投げかけたこの記事は、ライブドアにも法的論争として争う余地があることを示唆している。
(それが絶望的な試みだとしても)

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by foresight1974 | 2006-01-20 22:00 | 正義の手続を考える
 ライブドアに対する強制捜査の影響は、日本社会に大きなインパクトを与えそうであるが、この3日間で得をした者を考えてみたい。

 1人目は、耐震偽装事件のキーマンであるヒューザー社長・小嶋の証人喚問の「直撃」をもらうはずだった、安倍晋三であろう。偽装の公表を遅らせたかどうかは藪の中だし、実際に一日に何人もの陳情者を相手にする立場としては、小嶋の「請託」をどれほど真剣に斟酌したは疑問である。が、世間の目をいくばくかでも減じる効果はあったはずだ。
 2人目は、自民党衆議院議員の松本和巳である。選挙違反事件で選対幹部の有罪が確定した今日、ひっそりと議員を辞職した。すでにヤフートップページのニュース欄にも名前はない。おかげで、自民党は衆議院千葉7区の補欠選挙への影響を回避できそうである。
 3(人)目は、ライブドアへの強制捜査で体よく「提携解消」の口実をもらったフジテレビではないだろうか。持株の損失はかなりの額に上るだろうが、それでも、今後「ネットとテレビの融合」に関して再びフリーハンドになることは大きい。

 他にもいるかも知れない。が、肝心なことは、一見「損」をしているように見えても、実質的にはこの事態をうまく活用して、まんまと「得」をしている人物は必ずいるということである。
 いずれ時が証明することになるだろう。その時のために、今日は「彼ら」がどのように見られていたかということについてきちんと記録しておくべきである。

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by foresight1974 | 2006-01-18 21:06 | サイレント政治・社会評論
 ライブドアに対する証券取引法違反容疑の強制捜査を読み解くうえで、2つの謎があることを指摘しておきたい。
 強制捜査に関するNHKの「フライング」と強制捜査の「着手時刻」だ。

 今回の事件で、NHKは捜索・差押が着手される3時間以上も前から「ライブドアへ強制捜査」というニュースを流していた。
 通常、捜索・差押令状は発布された時点ですぐにマスメディアの知られるところになる。単純に、NHKが着手時刻までのタイム・ラグを勘違いしたということも考えられるが、いったいなぜそのようなことが起きたのか。また、そうした「誤報」が捜索に影響しなかったのか、という点が問題だ。

 もう一つは、まさにその捜索・差押の着手時刻だ。通常、こうした強制捜査は証拠隠滅を防止するため早朝から行われることが多いが、今回の事件では午後7時前ごろから始まったようである。なぜ、この時刻なのか。
 この点についても、証券取引所の取引時間を考慮し、市場への影響を最小限に止めたい意向が検察サイドにあった可能性はある。

 今後の捜査の焦点は、ライブドアの違法な錬金術を堀江が知っていたかどうかという点(より厳格に定義するならば、堀江に違法性の認識があったことを立証できるかどうか)に絞られるが、一晩かかった強制捜査から、新しい事件の立件に動いていくことも考えられる。なにせ、今回の事件はライブドアの数々の「錬金術」の中では、ケチな事件の部類であるからだ。

 いずれにせよ、特捜部が強制捜査に着手するということは、逮捕者が出ることはほぼ確実と思われる。
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by foresight1974 | 2006-01-17 23:48 | 正義の手続を考える
 まさか検察官も六本木ヒルズとやらをのぞいてみたくて来たわけではあるまい。
 今回の強制捜査が発端となって、ライブドアの一連の騒動が大型経済事件に発展することはほぼ確実となった。特捜部の捜査が堀江自身の逮捕につながるかは未だ不明であるが、何人かの逮捕者が出ることはほぼ確実である。

 だが、当ブログとその前につけていた日記で再三指摘してきたが、官僚の力の源泉は「江戸の仇を長崎で討つ」ことが可能なほどの強大な監督権限である。(しかも、その不始末の責任を実質的に取らされることはほとんどない)
 別に検察官諸氏の正義感にケチをつけるつもりはないが、今回の強制捜査で「誰が得をするのか」という視点を持つことは健全な態度であろう。

 ライブドアの企業買収にまつわる錬金術、そして、イーバンク問題などの数々の買収劇の騒動。いずれは、コーポレートガバナンスの歴史教科書に載せられることになるのであろうが、盗聴騒ぎやら異常な株式分割やら、合法性はともかく社会常識から逸脱する行いは図抜けていた。
 ライブドアのようなネット企業では人材の入れ替わりが激しい。東京地検へのタレコミは昨秋だったと報じられているが、その告発者をライブドアが特定することはきわめて難しいだろう。
 
 しかし、自民党が昨秋の選挙で堀江を「公認」しなかったことは偶然であろうか?
 また、ここ数年政治家を逮捕していない特捜部。リクルート事件以来、大型経済事件では敗北の山を築いている。近年の「手柄」も、独自の捜査力というよりは、国税庁などの「もらいもの」の成果である。
 国税庁-金融庁-検察。。。霞が関の官僚たちの虚々実々について語ることはほとんど邪推に等しい作業であるが、彼らと政治家たち、「権力のエスタブリッシュメント」たちに何らかの手打ちがあったのか、常に疑惑がつきまとう。

 いずれにせよ、ライブドアが法を破ったというのならば、裁きがあってしかるべきことである。
 その点に遠慮があってはならないのだけれど。
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by foresight1974 | 2006-01-17 03:28 | 正義の手続を考える
 ネット上のウヨクたちが喜び、飛び跳ねている。
 この数ヶ月、韓国国内の大騒動となったES細胞研究論文の捏造問題。当初、告発に踏み切ったテレビ局は、世論や政府からの総攻撃にさらされたが、真実が明らかになるにつれ、冷静な検証報道が増えてきている。
 それでも、依然として後遺症は深い。告発したテレビ番組に寄せられる反響の4割は依然として、捏造した教授を支持する意見だという。

 表現の自由について考えるところの多いこの事件。
 日本にも2年前に同様に、世論や政府からの激しい攻撃にさらされた人々がいたことを、ウヨクの方々はよもやお忘れではなかろうか?
 イラク人質事件は、たまたま「共産党員の息子」がその中に含まれた、その一事をもって「捏造」「自作自演」との攻撃を受け、政治家の口からも同様の発言が聞かれる始末となった。

 韓国と日本、いずれも高度なインターネットが発達していることと、近年急速に歪んだナショナリズムや偏狭な愛国心が蔓延るようになったことで共通している。
 そして唯一、結末に異なる点がある。韓国の場合は、そうした行き過ぎた思想風潮に修正が図られ、社会の成熟化を促す可能性があることに対し、日本の場合は、むしろこうした風潮が加速する状況を象徴する事件となったことである。
 その証拠にネットに溢れる「韓国ざまあみろ」の声、声、声。
 彼らのような罵詈雑言も、一応は憲法上の表現の自由の保障範囲内ではある。しかし、「公」やら「行き過ぎた個人主義の修正」やらの言葉が、同じ口から出てくるのであるから滑稽このうえない。

 彼らは気付くべきであろう。
 隣国を笑い者にしても、自分は幸せにはなれないということを。
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by foresight1974 | 2006-01-14 17:29 | 表現の自由への長い道距
 実は、筆者は読売改憲試案や自民党の憲法草案における「公共の福祉」の表現を興味深く見ていた。
 結果は、大変失望するものであった。彼らの発想は「行き過ぎた個人主義の是正」なる陳腐な理想主義である。「公」を強調すれば、凶悪犯罪者もたばこのポイ捨ても減るだろうか?いたって怪しいものである。

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by foresight1974 | 2006-01-13 22:19 | 憲法哲学

Let's think about day-to-day topics.


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