<   2005年 09月 ( 16 )   > この月の画像一覧

 昨日の東京高裁、そして今日の大阪高裁と続けて出された小泉首相の靖国神社参拝訴訟の判決は、今までの議論の延長線上に存在しており、特に目新しい点はない。

 個人的には、大阪高裁判決を支持しているが、法律上最高裁への上告が不可能となっている点には疑問を禁じえない。これは大阪高裁に責任があるわけではなく、かつて中曽根首相が行った公式参拝について判断した岩手靖国訴訟の仙台高裁判決について、最高裁が傍論の憲法判断を理由とする特別抗告を不適法と判断したからである。(最決平成3.9.24)

 憲法判断の統一性を確保するうえでは、傍論の憲法判断も実務上重要な役割を果たしていることにかんがみて、この判例の変更が必要なのではないか?と痛感する。

 大阪高裁の判決を受けて、またネットウヨクどもが「つけたし判決」などとバカをのたまうのかもしれないが、そのことについての反論はすでに「憲法論争(6)「靖国神社の何が悪いのか?(1)」で触れたのでご参照いただきたい。

 いずれにせよ、東京高裁判決について原告は上告する方針であるようなので、最高裁がこの事件について新しい見解を示す可能性は残された。
 前回記事でも述べたが、最高裁は最近、憲法問題に積極的に取り組む姿勢を見せているので、上告審の判断に期待したい。

■参考記事

「首相の靖国参拝は違憲」大阪高裁判決、賠償は認めず-朝日新聞9月30日電子版
「首相の靖国参拝は私的行為」 千葉の住民の控訴棄却-朝日新聞9月30日電子版
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-30 22:36 | 憲法哲学
 話の続きをしよう。
 このように、支払督促(仮執行宣言付支払督促)は非常に労多く益の少ない手続であるにも関わらず、利用件数は50万件を越えている。
 それはなぜなのか?ということだ。現実の経営においてならば、こんなことをするより損失として計上した方が税務上も有利だし、合理的ですらある。
 それでも利用される理由、それは「企業の社会的信用」に関わることだからである。

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-28 00:36 | ビジネス法務
 先週発表されたNHKの「新生プラン」、早くも方々から非難轟々といった感じだが、その批判の主要な一つは、受信料未払者に対する支払督促を検討する、というものがある。

 その主張の多くが、「受信料を払わない人に対して法的手続きに出るのは正しいのか?(やりすぎじゃないのか?)」といったものであるが、それはともかく、NHKのやろうとしていることは果たして法的にうまくいくのだろうか?

 結論から言うと、絶対にうまくはいかない。なぜなら、NHKの考え方が根本的に間違っているからである。

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-28 00:03 | ビジネス法務

二つの素敵なニュース

 今日は二つの素敵なニュースをご紹介したい。

 まず、昨日閉幕した愛・地球博で「皆勤賞」を達成した女性の話。会期前に全期間入場券を購入していたというからすごい気合の入れようだが、記録を最初から狙っていたのではない。まずは、全館入場を果たしてから目標が大きくなったようだ。

 もう一つ、おとといになるが、深田久弥が選んだ日本百名山を全て登頂した小学6年生の女の子の話。5歳のから登り始めて最後はマニアックに黒部五郎岳。。。
 ふつー、こういうこと親とやると子供は嫌になるものだけどね。。。「今度は二百名山をやりたい」とのこと。元気な子である。(笑)

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-26 01:07 | ブロガーたちの人生
 さて、準備の方はお済みだろうか。正解を発表しよう。
 IT業界の歴史年表の中にライブドア・フジテレビ問題を書き込むとこのようになる。

1990年・・・IP接続可能なプロバイダーが登場。
1991年・・・HTMLが発明される。また、同年にwwwシステムも開発され、世界中のHP閲覧が理論的に可能となった。
1992年・・・ホワイトハウスがインターネット利用可能になる。
1994年・・・インターネットブラウザNetscapeが発表。また、この年からネット上のショッピングモールが出始める。
1995年・・・世界中でWindows95が爆発的なヒットとなる。また、現在広く普及しているInternet Explorerが発表された。インターネットでラジオ放送が開始される。
1997年・・・ブロードバンドのさきがけとなるADSLの実験をNTTが開始。
1999年・・・インターネット接続人口が全世界で7000万人を突破。
2000年・・・本格的なネットゲーム機能を搭載したプレイステーションが北米や欧米で販売された。この年には中国の携帯電話普及台数が7千万台を突破している。
2001年・・・任天堂やマイクロソフトがプレステに追随してネットゲーム機能を搭載したゲーム機を発売。ネット広告は全世界で100億ドルを突破した。
2002年・・・世界のインターネット人口が5億人にせまる。HDDの容量が20GBを超えるPCが発売されるようになり、自宅PCでTV録画に支障がなくなった。
2003年・・・日本で携帯電話からのインターネット接続利用者が5000万人を突破する一方、国内のブロードバンド人口が1000万人を突破する。電子商取引を利用する世界の人口も3億人を突破。また、ホームページや日記の機能をより発展させた「ブログ」が世界的に流行する。ファイル交換システムによる著作権侵害が社会問題化しはじめる。
2004年・・・世界の携帯電話人口が10億人を突破。アフィリエイトシステムにより、広告収入を得る人々が急増する。ネット上での音楽配信サービスも流行に。世界のネットTVの利用者数は200万人程度と推計される。
2005年・・・ライブドア・フジテレビ問題。この年の世界のネット人口は7億人~8億人と推計されている。国内のブローロバンド人口は2000万人を突破する見込み。

なお、この後の予測もいくつかご紹介しておこう。
2006年・・・国内の全世帯数の半分がブロードバンド接続可能になる。国内ネット広告市場は5600億円に達し、5年前の10倍となる。音楽配信サービス市場も1500億円にせまる。
2007年・・・アメリカではほぼ全ての国民に携帯電話が行き渡っている。国内ではインターネット人口が9000万人に達し、うち3分の2はブロードバンド環境にある。
2008年・・・世界のネットTV利用者数は2600万人、4年前の13倍となる。
2010年・・・国内のブロードバンド・コンテンツ市場は1兆5千億円に達する。音楽配信サービスは4000億円。

 このようにしてみると、堀江が主張した「既存メディアとネットの融合」というのはあながち当てずっぽうではないことが見えてこないだろうか。今まで既存メディアでやってきたことがインターネット上にどんどん移行され、しかもその市場は数年で10数倍などという途方もないスピードで拡大し続けているのである。(もちろん、ライブドアがその優勝劣敗の中で淘汰されないという保証はどこにもないけれど)

 さて、ここでもう一つのコラムをご紹介しよう。阿部のレポートが出た翌月、同じ「Foresight」に掲載された、ミューズ・アソシエイツ社長梅田望夫の「ウェブ社会「本当の大変化」はこれから始まる」というコラムだ。

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-24 09:13 | 企業統治の公共精神
 岐阜市の韓国エステ店を売春の場所に提供したとして、売春防止法違反の罪に問われ、懲役1年6月、罰金20万円を求刑された中国人女性(32)の判決公判で、岐阜地裁は21日、「女性は店での売春行為を把握していなかった可能性がある」として、無罪を言い渡した。(京都新聞電子版2005年9月21日)

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-23 01:42 | 正義の手続を考える
 訃報に関する話ばかりで、なんだかブログが湿っぽくなるが、後藤田正晴の大往生は、このタイミングと時流の中にあってなかなか示唆的である。

 警察庁長官、中曽根内閣の官房長官、宮沢内閣の副総理。。。常に権力の中枢にあり、その経歴は保守のそれにふさわしいものでありながら、首相の靖国神社参拝に反対したり、自衛隊の海外派遣に慎重論をぶつなど、リベラルなバランス感覚に富んだ政治家であった。

 だが、もし彼の死をもってリベラリズムの退潮を決定付けようとするならば、その責任は彼の死にあるのではない。彼の思想を受け継ぐことの出来なかった、後輩たちにある。

 そして、私たちが小泉純一郎に「危うさ」を感じることがあるとすれば、同様に彼自身だけに非があるのではない。小泉純一郎にとっての後藤田を配することが出来なかった、彼の取り巻きにあるのだ。
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-21 23:13 | サイレント政治・社会評論
 このブログはいささか時流に乗り遅れた形での更新が多くなっている。
 それは、法律関係雑誌の発行事情と無関係ではない。法律関係雑誌は通常、巷で事件が大きく報道されたから何ヶ月か遅れて論文なりコメントなりが出揃うことが多い。それをカバーしてブログにアップすることはもっと遅くなる、という具合でいまさらのようにこの問題を取り上げることにする。
 まあ、この問題の普遍性を理解されている方は、巷ではすっかり下火となったこの話題のフォローを今でも続けていらっしゃることだろうし、あながち無益でもないと思っている。

 まず、新潮社が発行している国際政治経済情報誌・Foresight2005年5月号に掲載された、阿部重夫「最後から二番目の真実-『ライブドア』仕手戦の人形使い」というレポートをご紹介したい。
 最初にお断りしておくが、私は阿部重夫というライターの筆力は評価しているし、その見識にそれなりに敬意も払う者である。しかし、それを踏まえて評価しても、今回のレポートはひどいものであった。

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-21 00:03 | 企業統治の公共精神
 今週、カネボウ粉飾決算に関する東京地検特捜部の強制捜査(4名逮捕)と、足利銀行からの粉飾決算に関する巨額の賠償請求を受けた中央青山監査法人。

 この事件は、従来日本のコーポレートガバナンスで脇役扱いであった監査法人が、不承不承ながら主役に引きずり出されたことを示している。

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-19 10:47 | 企業統治の公共精神
 かつて、キ文康隆(キは漢字の「七」を森状に書いたもの)は「経済報道解読ノート」の中で、21世紀最初の大きな国際経済事件となったエンロン事件についてこう述べている。

「(エンロン会長だった)ケネス・レイが実現しようとしたのは、(ジャンク債の帝王といわれた)ミルケンがウォール街を舞台に、ビスケット屋だろうがコンピュータ屋だろうがお構いなしに「株式会社」としてリシャッフルしようとしたことを、世界のエネルギー産業、いや全産業を舞台に仕掛けようという構想だった。
(中略)
(ミルケンが率いた)ドレクセル・バーナムとマイケル・ミルケンの転機は1987年のブラックマンデーであり、息の根を止めたのはSECのインサイダー調査だった。そしてエンロンとケネス・レイにとっては、ネットバブルの崩壊によるアメリカ景気の後退が転機となり、最後はやはり、SECによって息の根を止められた。
われわれは18世紀初めのフランスに、マイケル・ミルケンやケネス・レイを上回る教訓を持っている。(南海泡沫会社で国際金融詐欺を演出した)ジョン・ローの物語である。
(中略)
金融の革新者が創業者利潤を取りつつ、いつのまにか詐欺師に変じる。この両義性こそ資本主義の古くて新しい本質である。」
(キ文康隆「経済報道解読ノート4・革新者が詐欺師に転じる時」 新潮社「Foresight」2001年第12号より抜粋)


 今回の選挙結果についても、この警句は援用できるにように思われるがいかがだろうか。

More
[PR]
by foresight1974 | 2005-09-18 08:30 | サイレント政治・社会評論

Let's think about day-to-day topics.


by foresight1974