カテゴリ:サイレント政治・社会評論( 53 )

 今週も、自分とほぼ政治的立場を同じくする方に苦言を申し上げたい。
 そんなことをチマチマやっていると、バカウヨクどもに日本国憲法を「スティール」されかねないほど、現在の日本のリベラル陣営は貧弱なのであるが、内輪の議論に妥協して馴れ合うのは最も自分の嫌うところなのである。

 今回取り上げるのは、在日朝鮮人の社会問題を取り上げ続けていらっしゃる半月城さんのサイト「半月城通信」に掲載されたアサヒビールと靖国神社の関係についてである。

 同サイトによれば、アサヒビールの最高顧問・中條高徳が「国事行為たる戦争の犠牲者を祀る靖国神社に詣でる事をしない政治家に、国政に参加する資格はない」と新しい歴史教科書をつくる会のHPに書いていることである。(リンクはこちら

 半月城氏は、これをアサヒビールの公的見解であるかのように捉え、アサヒビールに再三の抗議を行うとともに、中條の解任を要求している。

 アサヒビールはこれに対し、中條の個人的行動であることを説明し、今後、個人的行動に関しアサヒビール最高顧問の肩書を用いないよう「厳重に申し渡した」としている。

 果して、これらの諸点について法的問題はあるのだろうか?私の見解は半月城氏と異なる点がいくつかある。

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by foresight1974 | 2006-03-05 21:18 | サイレント政治・社会評論
 私は忙しい人が好きである。
 以前、友人とも話題になったが、忙しいときほどブログや日記の書く「ネタ」というものは増える気がする。忙しく働き、考えているときは、社会からいろいろな「刺激」を受けているときだからだろうと思っている。

 上田勝さんも大変にお忙しいらしい。
 当ブログのリンクに張られている「日々是上田わ~るど」の中身は、「政治討論」時代からの上田さんの鋭い洞察力を広い視野、展開力のあるロジックが依然として健在であることを示している。
 しかし、この記事だけはどうも気に入らない。
 1月31日に掲載された「天皇陛下の靖国参拝」である。
 そして、私の気難しい性格はささいなことでも気に入らないことがあれば口を挟まずにはいられないのである。

 残念なことに上田さんはブログを書かれていない。TBできないのは大変不便であるが、後でメールにてご連絡差し上げたい。

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by foresight1974 | 2006-02-28 00:07 | サイレント政治・社会評論
1月14日の「人のことを笑えるのか!?「ES細胞捏造報道」と「イラク人質事件」」について、通りすがり氏から、何度か貴重なご意見を頂戴した。

記事の内容と離れている箇所もあるので、改めて論じておきたい。

通りすがり氏は、「資源も十分ではない」我が国が、他国より優位な立場に立つために、自国の文化に誇りを持ち、愛国心をもってこれを守らなければならない、と再三指摘している。

しかし、日本の過去の歴史を考えてみた場合、愛国心や自国文化への誇りが、現在の経済的繁栄や社会の成熟と因果関係をもったことはない。江戸時代の歴史をみるまでもなく、文化が繁栄したときは、常に経済的繁栄や社会的モラルの低下とセットであり、自国文化に対する誇りというのは、要するに後知恵だというほかない。衣食住が足りなければ礼節は問われないのである。

また、天皇制についても疑問がある。日本の過去の歴史では戦国時代のように、ほとんど「捨て置かれていた」時代もあるわけであり、決して厚遇されてきた歴史とはいえない。その大半は、天皇の側近たちに利用され、翻弄されてきたわけであり、明治時代においても尾崎行雄の演説を引くまでもなく、君側の奸がしばしばその虎の威を借りてきたわけである。
また、戦後GHQが天皇制を存続されたのは冷戦初期の国際情勢にからむ極めて政治的な判断によることはすでに広く知られている。マッカーサーの写真を例に引くまでもなく、GHQ指導層が重視したのは、天皇の利用価値であり、そこに当時の日本国政府との妥協が成立したに過ぎない。
今日まで天皇制が存続したのは、私は単なる偶然だと考えている。世界史をみても、何千年も同一王朝が存続した国家はない。そういう意味で、天皇制も今後、日本の国際的地位の低下とセットで、政治的不安定さが増してくると思われる。

その前に、政治的混乱を避けるため、天皇制を日本の統治機構からお引取り願うのが、彼らにとっても最も幸福な政治的引退の道だといえる。
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by foresight1974 | 2006-02-11 23:42 | サイレント政治・社会評論
 栃木県鹿沼市環境対策部の職員が、2001年廃棄物行政をめぐる不当要求を拒否して殺害された事件に関し、殺人の罪に問われた被告の上告に対し、最高裁は8日棄却する決定を下した。
 これにより、被告の無期懲役が確定した。
 行政機関に対する不当要求という問題が、初めて大きくクローズアップされた犯罪で、上司や市議会などの協力を得られず、孤立無援で戦った公務員の悲劇であった。

 あれから5年。昨年の10月、警察庁の発表によれば、行政機関に対する暴力団等の不当要求に応じた例は、51機関。要求を受けた機関の8%にのぼったという。

 様々なしがらみに負けず公務員の清廉さを守る、無名の公務員が数多くいる一方で、談合や建築物構造計算書の偽造がまかり通る日本社会。
 亡くなられた職員氏も草葉の陰で嘆かれておられるであろう。
 だが、遺志を継いだ遺族はまだ戦い続けている。昨年末、遺族は鹿沼市と事件の実行犯らを相手に損害賠償を提起している。
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by foresight1974 | 2006-02-09 23:00 | サイレント政治・社会評論
 ライブドアに対する強制捜査の影響は、日本社会に大きなインパクトを与えそうであるが、この3日間で得をした者を考えてみたい。

 1人目は、耐震偽装事件のキーマンであるヒューザー社長・小嶋の証人喚問の「直撃」をもらうはずだった、安倍晋三であろう。偽装の公表を遅らせたかどうかは藪の中だし、実際に一日に何人もの陳情者を相手にする立場としては、小嶋の「請託」をどれほど真剣に斟酌したは疑問である。が、世間の目をいくばくかでも減じる効果はあったはずだ。
 2人目は、自民党衆議院議員の松本和巳である。選挙違反事件で選対幹部の有罪が確定した今日、ひっそりと議員を辞職した。すでにヤフートップページのニュース欄にも名前はない。おかげで、自民党は衆議院千葉7区の補欠選挙への影響を回避できそうである。
 3(人)目は、ライブドアへの強制捜査で体よく「提携解消」の口実をもらったフジテレビではないだろうか。持株の損失はかなりの額に上るだろうが、それでも、今後「ネットとテレビの融合」に関して再びフリーハンドになることは大きい。

 他にもいるかも知れない。が、肝心なことは、一見「損」をしているように見えても、実質的にはこの事態をうまく活用して、まんまと「得」をしている人物は必ずいるということである。
 いずれ時が証明することになるだろう。その時のために、今日は「彼ら」がどのように見られていたかということについてきちんと記録しておくべきである。

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by foresight1974 | 2006-01-18 21:06 | サイレント政治・社会評論
 最近、時代の「流れ」を織り込んだドラマや映画が目に付く。
 
 正月番組で一番印象に残ったのは、TBSで放送された「里見八犬伝」だった。滝澤馬琴の原作をアレンジした作品が多いが、今回もその一つと言えよう。そして、番組後半になって作り手のメッセージははっきりしてきた。
 「争う」ことの愚かさ、これに尽きる。
 最近はこうした「反戦」番組も洗練されてきた。一昔前のような「押し付けがましさ」とか、女性(特に若い女性)の口を借りた「熱い反戦メッセージ」というものはない。あくまで、争うそれぞれの人間の弱さにぴったり寄り添った、見る側に受け入れやすい形に変わってきている。

 こうしたメッセージ性のある作品が見られるようになったのは昨年からだろうか。
 嚆矢となったのは、ニコール・キッドマンとショーン・ペンが主演した「インタープリター」だ。国連を舞台にしたサスペンスだが、実は、こうしたポリティカルサスペンスにつき物のある人物が登場していない。
 アメリカ大統領その人である。これまで、ポリティカルサスペンスでは常に重要なスパイスとして位置していたこの登場人物はこの作品では影も形もない。
 それもそうだ。この作品は「今のアメリカのあり方」にとても批判的だからだ。「最近、この国は評判が悪い」と嘆く主人公の上司、「テロ対策」を口実に反政府勢力を弾圧する親米派のアフリカの独裁者。。。アメリカに対する端々の痛烈な批判が大統領のご登場をためらわせたのである。

 また、「スターウォーズ・エピソードⅢ」に出てくる、銀河帝国誕生までのプロセスも警句的だ。民主主義の失敗、テロ対策を口実にした言論統制、そして創作された熱狂的支持。。。というストーリーも決して「今」の時代に無関心ではいられない作り手の意図を感じる。

 スピルバーグも遅まきながら、この流れに気がついたようである。2月に後悔される「ミュンヘン」は、実在の事件を題材に「今」を鋭く問いかける作品である。

 こうした表現者たちの努力に対し、状況は決して楽観出来ない。だが、少なくともリベラルな言論はいまだ死んではいない。
 
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by foresight1974 | 2006-01-04 21:47 | サイレント政治・社会評論
 今、サッカーファンの間で静かにブームになっている本がある。
 木村元彦著「オシムの言葉」(集英社インターナショナル)である。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31629071

 現在、Jリーグ・JEF千葉監督を勤めるイビチャ・オシムはかつて、ユーゴスラビア代表監督だった。内戦で分裂する前の、最後の代表監督である。
 祖国が崩壊し、混乱する過程で指揮を取り続けた日々。そして、その後2年以上、妻子をサラエボの戦火の中に残したままヨーロッパのクラブチーム監督として指揮を執り続けた日々。。。戦争とオシムの人生をリンクさせることは必ずしも著者の本意ではあるまい。
 だが、それが大きな影を落としていることは間違いがない。

 多民族国家・ユーゴスラビアの元代表監督として、言葉の重みと危険性を熟知した名将の姿勢は日本に来ても揺らぐことはない。間違いなく、日本サッカーの「Statesman」である。
 そして思う。彼のような「言葉の重み」をきちんと持てる政治家が日本にいないということを。
 安部晋三、中川昭一、麻生太郎、、、「ポスト小泉」と言われ、また残念なことにこのような小人物たちが日本の将来を担う。憲法の理念に対する無理解、他者に対する配慮の欠如、無責任な蛮勇、、、彼らが国家の未来を語るとき、正直「とてもついていけない」という気持ちにさせられる。

 日本の景気は確かに良くなった。だが、本質的な変化にはまだ程遠い。
 結局のところ、それでも前に進んでいくほかはない。
 オシムがいつも言うとおり「それでも人生は続く」のだから。
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by foresight1974 | 2005-12-30 23:39 | サイレント政治・社会評論
 まず、ぶしつけなTBをふっておきながら、お返事を長期間失念したことをお詫びしたい。
 「靖国神社を巡る「同床異夢」」について「溶解する日本」の筆者氏より丁寧なお返事をいただいたのでご紹介したい。

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by foresight1974 | 2005-10-16 17:26 | サイレント政治・社会評論
 訃報に関する話ばかりで、なんだかブログが湿っぽくなるが、後藤田正晴の大往生は、このタイミングと時流の中にあってなかなか示唆的である。

 警察庁長官、中曽根内閣の官房長官、宮沢内閣の副総理。。。常に権力の中枢にあり、その経歴は保守のそれにふさわしいものでありながら、首相の靖国神社参拝に反対したり、自衛隊の海外派遣に慎重論をぶつなど、リベラルなバランス感覚に富んだ政治家であった。

 だが、もし彼の死をもってリベラリズムの退潮を決定付けようとするならば、その責任は彼の死にあるのではない。彼の思想を受け継ぐことの出来なかった、後輩たちにある。

 そして、私たちが小泉純一郎に「危うさ」を感じることがあるとすれば、同様に彼自身だけに非があるのではない。小泉純一郎にとっての後藤田を配することが出来なかった、彼の取り巻きにあるのだ。
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by foresight1974 | 2005-09-21 23:13 | サイレント政治・社会評論
 かつて、キ文康隆(キは漢字の「七」を森状に書いたもの)は「経済報道解読ノート」の中で、21世紀最初の大きな国際経済事件となったエンロン事件についてこう述べている。

「(エンロン会長だった)ケネス・レイが実現しようとしたのは、(ジャンク債の帝王といわれた)ミルケンがウォール街を舞台に、ビスケット屋だろうがコンピュータ屋だろうがお構いなしに「株式会社」としてリシャッフルしようとしたことを、世界のエネルギー産業、いや全産業を舞台に仕掛けようという構想だった。
(中略)
(ミルケンが率いた)ドレクセル・バーナムとマイケル・ミルケンの転機は1987年のブラックマンデーであり、息の根を止めたのはSECのインサイダー調査だった。そしてエンロンとケネス・レイにとっては、ネットバブルの崩壊によるアメリカ景気の後退が転機となり、最後はやはり、SECによって息の根を止められた。
われわれは18世紀初めのフランスに、マイケル・ミルケンやケネス・レイを上回る教訓を持っている。(南海泡沫会社で国際金融詐欺を演出した)ジョン・ローの物語である。
(中略)
金融の革新者が創業者利潤を取りつつ、いつのまにか詐欺師に変じる。この両義性こそ資本主義の古くて新しい本質である。」
(キ文康隆「経済報道解読ノート4・革新者が詐欺師に転じる時」 新潮社「Foresight」2001年第12号より抜粋)


 今回の選挙結果についても、この警句は援用できるにように思われるがいかがだろうか。

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by foresight1974 | 2005-09-18 08:30 | サイレント政治・社会評論

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