シビリアンコントロールと表現の自由

航空幕僚長更迭 田母神空将が3日付けで定年退職
11月3日21時5分配信 毎日新聞


 防衛省は3日、歴史認識に関し政府見解に反する論文を公表して航空幕僚長から航空幕僚監部付に更迭された田母神俊雄空将(60)を、同日付で定年退職とする人事を発表した。政府は国会審議や外交に与える影響を最小限に食い止める方針で、論文発覚からわずか3日後の異例の退職人事は早期の「幕引き」が狙いとみられる。


 すでに2週間前になる記事について今さら論評めいたコラムを書くのは多忙なゆえであるが、久々に頭が真っ白になるというか、頭がガクガクするような話に出くわした。

 論文をネットで閲覧し、まずその短さに吃驚。
 そして、これだけの短文にも関わらず、きちんとした日本語の文章として成立していない、「最優秀作品」の文章力に失笑した。(報道によれば、この懸賞論文の主催者と当人はよほど親しかったようであるから、最初から出来レースであったのであろう)
 だが、自衛官の中で最も有能で、最も「リアリスト」であらねばならないポジションにいた人物と知って戦慄したのである。



 今回の田母神への処分についてネット上で喧々諤々の議論が戦わされているが、個人的にはそのいずれにも与しない。
 陰謀論かぶれの屁垂れた論文内容を擁護する気になれないのはもちろん、軍オタどもの薄っぺらい「シビリアンコントロール」論にも、もちろん与するつもりはない。

 ただ一つ思ったのは、今は塀の中の守屋天皇の御眼鏡かなって航空幕僚長という望外の地位を手に入れてしまった人物を追い落とすことが出来たのは、「表現の自由」というものがあってのことだ、という見方も出来なくはない、ということだ。
 表現の自由があるからこそ、限定的であれ自衛官の地位にある者でも論文発表が可能なのであり、また、それに対する批判も成立する。相互批判を通じて、控え目に言っても「バカバカしい」としか言いようのない論文が自然淘汰され、高校生なみの文章力しかない航空幕僚長を更迭することが出来るわけである。
 これがもし、シビリアンコントロールが徹底されて自衛官に対する言論統制が可能であった場合、こうした言論の存在自体が地下に潜伏し、後々社会に対する重大な脅威となったかもしれない。軍オタ連中が嘯くようにシビリアンコントロールとはおめでたい話ではないのである。
 そうした意味で、自分の更迭について「北朝鮮」を引き合いに出して批判した田母神の薄っぺらさにはもちろん、更迭したから問題幕引きと言わんばかりの「自称現実派」な軍オタウヨク連中のシビリアンコントロールの薄っぺらい理解にも、開いた口が塞がらないのである。

 
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by foresight1974 | 2008-11-16 23:52 | 9条問題

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