リベラリズムの再構築を目指して

 いろいろあった今年もあとわずかになった。
 防衛庁が省に昇格し、自衛隊法も改悪され、教育基本法も改悪されるなど、憲法改正への「露払い」が着々と進んでいる。
 批判はいろいろあるが、世論の趨勢とは誤った方向に流れていること自体を押し止めることは非常に困難である。

 今年、個人的には「改憲後」の自分の思想的立ち位置をどうするべきか、そんなことを考えていた。
 例えば、教育基本法が改悪された後も改悪前の教育基本法の「精神」を強調するというのは、政略的には非現実的であろう。もちろん、現状追認はあってはならない。悪法を受け入れるべきでもない。
 ならば、どうするべきか?

 その答えの一つが、表題に掲げた「リベラリズムの再構築」である。憲法が改悪されようと、自衛隊員がアメリカ様の下請けで甲斐甲斐しく働こうと、安倍晋三が靖国神社で手を合わせようと、教師が日の丸に敬意を払わないという言いがかりをつけられようと、それに抗弁できる普遍的な思考が、これからは必要になるだろう。
 もちろん、憲法改悪阻止を諦めるには時期尚早であろう。だが、愛敬浩二が「改憲問題」で指摘したように、圧倒的な改憲勢力が「現実的な」憲法骨抜き策と、将来の改憲の二兎を追っているとするならば、それに対応した発想もまた、求められるはずである。

 リベラリズムの再構築自体は、私の知性には手に余る作業である。
 だが、近年の憲法学者たち―長谷部恭男、松井茂記、愛敬浩二、安念潤司らの思考をフォローしたうえで、独自のアイデアを盛り込んでいく。
 憲法が改正されようとされまいと、教育基本法が改悪されようとされまいと、立憲主義の理念、基本的人権の普遍性、人間の安全保障、真の国民主権を後世に伝えていく作業を、「リベラリズムの法的思考」の中に表現できればと思っている。それはそれで、なかなか楽しい作業ではないだろうか。
 こんな世知辛い世の中でも、楽しみを見つけるということは、とても大切なことである。

 いろいろありましたが、それではみなさん、よいお年を。
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by foresight1974 | 2006-12-30 17:40 | サイレント政治・社会評論

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