臨検に関する憲法解釈

「臨検」とは、国際法上、船舶を拿捕(だほ)する際、その理由の有無を確かめるために船舶の書類を検査することをいいます。

国家権力の行使にあたりますが、実際には様々な種類のものがあり、海上保安庁の臨検もあれば、労働基準監督署の臨検もあるので、当然のことながら、「平時の臨検」もあるわけです。

今回の北朝鮮核実験に対する国連安全保障理事会の決議に含まれる「臨検」は、その中で最も強い態様のものと考えられ、「有事の臨検」といえます。
日本がそれを実施した場合、9条2項に定める「交戦権」の行使に該当しないかが問題になります。

これについては、長沼訴訟第1審判決(札幌地判昭48・9・7)が「交戦権」の解釈について、一般に広く「戦争をなす」権利と考えるのではなく、国際法上の交戦権の行使として、敵の兵力を殺傷、破壊したり、都市を攻撃したり、占領地に軍政をしいたり、中立国に対しても一定の条件の下に船舶を臨検、拿捕し、また、その貨物の没収したりする権利の総称をいうと判示し、臨検は交戦権の行使にあたると考えています。
この考えを学説上の支持者が多いので、通説的見解と考えられます。

つまり、臨検も場合によっては憲法違反になります。
臨検に関する政府答弁で、「強制にならない」という修飾のうえで臨検の可否が語られるのは、こうした判例を意識したものです。強制のない臨検は、交戦権に当たらないという論法です。

安倍政権ですら、憲法9条の呪縛と抑止力から逃れられないのですよね。
憲法9条が機能している一面といえます。
[PR]
by foresight1974 | 2006-10-14 22:16 | 9条問題

Let's think about day-to-day topics.


by foresight1974