「国が燃える」休載事件に関する事実経過と論点の確認(1)(By foresight1974)

 さて、ここでこの事件に関する事実経過をもう1度確認しておきたい。

 「国が燃える」は02年11月から連載が始まり、若き商工官僚・本多勇介の半生を通して、昭和期前半の日本を描いている。問題となった回は9月16日発売号と22日発売号で、旧日本軍が南京市民を大量虐殺したいわゆる「南京大虐殺」を取り上げている。



 報道によると、集英社には抗議が1日20件入り、また、10月13日には、「集英社問題を考える地方議員の会」なるグループが「事の重要性を認識せず、問題の事実関係についての調査研究を怠り、大東亜戦争従軍の将兵、遺族さらには日本国及び国民の誇りに傷をつけ、辱めさせた行為は厳に慎むべき行為であり、フィクションと記載された「漫画」であっても許されない。」として、「平成16年10月12日までに誠意ある回答、対応及び面会を求める」旨抗議が行われた。(なお、抗議文の内容は「いぬぶし秀一の激辛活動日誌」によった)
 集英社はこれに対し、集英社は「描写の参考にした写真は『ねつ造された』との指摘もある。そういう資料を使ったのは不適切だった」としている。単行本化の際に訂正し経緯を説明するほか、同誌上で記事として経緯を説明することを回答している。
 この経過をみるに、集英社側はすでにこの連載にあたり自らの非を認めて決着を図る意向のようである。

 しかし、前回のブログで述べたように、「国が燃える」は当時の日本が行っていた侵略行為について非常に踏み込んだ描写をしており、いずれ遅かれ早かれ、このような事態が生じることは予想しえたであろう。集英社側からは報道発表以上の具体的な説明がないので、立ち入ったことは分からないが、見通しの甘さを指摘されても仕方がないのではないか。

 そして、もっと問題なのは、この「集英社問題を考える地方議員の会」なる不思議な団体の動きである。前掲抗議文によれば単に面会・回答を求めているのみであったが、そうした手合いの対応は集英社側も日常茶飯事にしているはずである。前掲のいぬぶし氏の日記によれば、10月5日に有志議員5人と元特高隊員なる人物が同社を訪れて、広報担当者を相手に抗議を行っている。30分の抗議行動の中で大声で抗議文を読み上げるなどのパフォーマンスをしているが、特筆すべき動きはない。
 これについて、「♪すいか泥棒 日曜版」作者氏が次のような見解そ示している。

「 歴史問題をめぐって自称「被害国」やら在日朝鮮人やら国内の「進歩的文化人」やらが行ってきたのと同じような 「議論は口数の多いほうが勝つ」というだけの 一種の《言論の人海戦術》が,保守言論の底辺を支える大衆の間に根付いてしまう結果を招きはしないか.もしそうなってしまったら,遅かれ早かれ保守言論はお隣の国の金完燮バッシングと何ら変わりないレベルに自らを貶めてしまうことになる(もっとも金完燮氏の場合,《袋叩きにする側》に国がついているという点が決定的に違いますが).」


(つづく)
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by foresight1974 | 2004-10-17 18:27 | 表現の自由への長い道距

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