北朝鮮核実験:「武力によらない平和」への試練

戦争の可能性がまた一歩、高まってきた。

<北朝鮮>核実験を実施 中央通信報道 地震波も探知
【北京・西岡省二】北朝鮮の国営朝鮮中央通信は9日、地下核実験を実施したと発表した。実験の時間や場所など詳細は伝えていない。同通信は「科学的計画と綿密な計算で進められた」と成果を報じ、「放射能漏れはなかった」と伝えられた。日本や米国、中国、韓国など関係各国が情報確認を急いでいる。北朝鮮外務省は今月3日、「科学研究部門が今後、安全性が徹底的に保証された核実験を実施することになる」と宣言していた。80年代から浮上した北朝鮮の核開発疑惑は核実験によって現実のものとなった。核保有国としては、米英仏中露、インド、パキスタンに続いて8カ国目になる。国際社会は北朝鮮への制裁に踏み切るとみられ、北朝鮮の核問題は緊迫した局面を迎えた。




北朝鮮の核実験に関しては、いずれやると思われていたので、それ自体に驚きはない。
ついに、ここまで来てしまったかという感じだ。

注目したのは、実験に対する中国政府の対応だ。異例に早い、強い調子での核実験に対する非難声明は、中国―北朝鮮間に大きな亀裂が入っていることを示している。
北朝鮮もおそらく、中国政府を心から信頼していまい。中国は、鴨緑江の向こうに大軍を準備し、有事の際にはいつでも北朝鮮に「進駐」できるよう、準備を進めている。

さて、北朝鮮に核問題に関しては、これまで話し合いが通じるかどうか、識者によって意見が分かれてきた。
だが、核実験強行で、「通じる」と主張してきた人々の希望的観測が断たれた。
これではっきりした。奴らは本気なのだ。
これに対し、北朝鮮が核武装を進めるのは、アメリカが北朝鮮政府を崩壊させるための「圧力」に原因を求める人々がいる。だが、これは完全な間違いだ。
もしそうならば、北朝鮮政府が存続するための合理的な行動は、94年の米朝合意遵守のはずであるからだ。
だが、彼らがその合意を反故にしたのは、北朝鮮の国家存続だけではなく、独裁者・金正日をはじめとする、自分たちの都合のいい体制を存続させたいからであろう。

それでもまだ、金正日に対する「話し合い」による解決の道は残されているのだろうか。
もし、あるとするならば、そうした方向性に、説得力のある理念と戦略を、リベラルは示さなければならない。
もし、そうした方向性を示すことなく、「日本政府の対応」や「改憲問題」、「北朝鮮との戦争」に対する批判だけを強めることになれば、それは結果として「リベラルに対する幻滅」を招くことになる。
安倍晋三はこの事件で、政治的には間違いなく命拾いをしているが、問題はそこではない。彼の歴史認識を腐す時期は過ぎようとしている。

「武力によらない平和」を目指す人々に課せられた、これは試練なのである。
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by foresight1974 | 2006-10-09 20:05 | サイレント政治・社会評論

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