「国が燃える」連載中止に見える「醜い圧力」(By foresight1974)

 集英社が発行していた漫画雑誌「ヤングジャンプ」に連載されていた、本宮ひろ志の漫画「国が燃える」が南京大虐殺に触れた描写に抗議が殺到し、休載に追い込まれた。

 「国が燃える」は、連載が始まった当初から、1930年代から始まる日本の悪質な侵略行為についてかなりの文献を引用しながら描いており、右翼や保守論壇からいずれ批判される問題になるだろう、とは思っていた。だが、正直、私は集英社がここまで弱腰であるとは思っていなかった。それは意外であった。

 しかし、南京大虐殺が「あったもの」(国際的には「あった」ということで決着しているが)として描いたことが気に入らないから、「許されない(連載中止せよ)」、という態度はいかがなものだろう。

 私がその話を聞いて思ったのは、4年前に扶桑社が新しい歴史教科書を編纂していたときに、韓国政府や中国政府が教科書として検定合格しないように政治的な圧力をかけてきた問題と二重写しに見えた、ということだ。

 右翼・保守論壇がなぜ南京大虐殺を批判できるか。それは皮肉にも「南京大虐殺があった」という主張に言論の自由が認められるからである。論理的に「ある」という主張が成立・あるいはその社会でその主張の自由を保障されなければ、当然それに対する批判は成立しえないからである。「ない」と信じている頭の固い御仁の逆鱗に触れたかどうかは知らないが、「ある」という主張を亡き者にしようというのは、自らを谷底に突き落とす愚行であることに自覚はないようである。

 結局は、「好き嫌い感覚」で愛国ゴッコをやっているウヨたちが、特高よろしく自分と異なる見解の著作に圧力をかけたということだ。おもちゃ屋の前の駄々っ子のやることである。ウヨの醜い幼稚さ、しつけのなってないワガママが露になった事件であった。
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by foresight1974 | 2004-10-15 07:21 | 表現の自由への長い道距

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