「日々是上田わ~るど・天皇陛下の靖国参拝」によせて

 私は忙しい人が好きである。
 以前、友人とも話題になったが、忙しいときほどブログや日記の書く「ネタ」というものは増える気がする。忙しく働き、考えているときは、社会からいろいろな「刺激」を受けているときだからだろうと思っている。

 上田勝さんも大変にお忙しいらしい。
 当ブログのリンクに張られている「日々是上田わ~るど」の中身は、「政治討論」時代からの上田さんの鋭い洞察力を広い視野、展開力のあるロジックが依然として健在であることを示している。
 しかし、この記事だけはどうも気に入らない。
 1月31日に掲載された「天皇陛下の靖国参拝」である。
 そして、私の気難しい性格はささいなことでも気に入らないことがあれば口を挟まずにはいられないのである。

 残念なことに上田さんはブログを書かれていない。TBできないのは大変不便であるが、後でメールにてご連絡差し上げたい。




 上田さんは、この中で以下のように述べておられる。

 麻生外相が、天皇陛下の靖国神社参拝について「英霊は天皇陛下のために万歳と言ったのであり、首相万歳と言った人はゼロだ。天皇陛下が参拝なさるのが一番だ」と述べたことが波紋を呼んでいる。私も全くその通りだと思う。その問題に比べれば総理大臣が参拝するかしないかは小さな問題だ。


 基本的には、天皇が参拝しないのは靖国問題が国際問題になったことへの配慮とA級戦犯の合祀に反発していることを指摘している。これは、多くの専門家がこれまでも指摘してきたことであり、至極まっとうな見解である。
 
 だが、私が一番問題にしたいことは、「天皇陛下の靖国参拝は正当であること」を前提に論旨が展開され、結論として天皇陛下の靖国参拝を支持しているとうかがわれる文章があることだ。

 この点、重要なことが見落とされている。戦後、天皇は国家神道の最高の祭祀者ではなく、国民の象徴となったのであり、そもそも天皇の靖国神社参拝は憲法違反の可能性が高い行為であるということだ。

 天皇がなしうる行為については、第7条に定められている。靖国神社の参拝はこの条文には存在しない。また、国会で「おことば」を述べる行為など天皇には公人としてなしうる一定の行為があることは一般的な見解として認められているが、もし公人として靖国神社に参拝するならば、明らかに憲法20条3項に定める政教分離原則に違反することになる。

 上田さんはネットのお子様ウヨクとは違う。かつて、日本が行った戦争を侵略戦争と言い切ってはばからず、東京裁判は合法だとこれまでも繰り返し主張されてきた。かといって、別にゴリゴリの護憲論者でもない。安心して話が出来る中道論者の一人だ。

 憲法についても豊かな見識を示してきた上田さんが、このような意見を述べられることに、どうも首をかしげざるを得ない。是非、見解をお聞かせ願いたい。
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by foresight1974 | 2006-02-28 00:07 | サイレント政治・社会評論

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