通りすがり氏の愛国心に関するコメントについて

1月14日の「人のことを笑えるのか!?「ES細胞捏造報道」と「イラク人質事件」」について、通りすがり氏から、何度か貴重なご意見を頂戴した。

記事の内容と離れている箇所もあるので、改めて論じておきたい。

通りすがり氏は、「資源も十分ではない」我が国が、他国より優位な立場に立つために、自国の文化に誇りを持ち、愛国心をもってこれを守らなければならない、と再三指摘している。

しかし、日本の過去の歴史を考えてみた場合、愛国心や自国文化への誇りが、現在の経済的繁栄や社会の成熟と因果関係をもったことはない。江戸時代の歴史をみるまでもなく、文化が繁栄したときは、常に経済的繁栄や社会的モラルの低下とセットであり、自国文化に対する誇りというのは、要するに後知恵だというほかない。衣食住が足りなければ礼節は問われないのである。

また、天皇制についても疑問がある。日本の過去の歴史では戦国時代のように、ほとんど「捨て置かれていた」時代もあるわけであり、決して厚遇されてきた歴史とはいえない。その大半は、天皇の側近たちに利用され、翻弄されてきたわけであり、明治時代においても尾崎行雄の演説を引くまでもなく、君側の奸がしばしばその虎の威を借りてきたわけである。
また、戦後GHQが天皇制を存続されたのは冷戦初期の国際情勢にからむ極めて政治的な判断によることはすでに広く知られている。マッカーサーの写真を例に引くまでもなく、GHQ指導層が重視したのは、天皇の利用価値であり、そこに当時の日本国政府との妥協が成立したに過ぎない。
今日まで天皇制が存続したのは、私は単なる偶然だと考えている。世界史をみても、何千年も同一王朝が存続した国家はない。そういう意味で、天皇制も今後、日本の国際的地位の低下とセットで、政治的不安定さが増してくると思われる。

その前に、政治的混乱を避けるため、天皇制を日本の統治機構からお引取り願うのが、彼らにとっても最も幸福な政治的引退の道だといえる。
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by foresight1974 | 2006-02-11 23:42 | サイレント政治・社会評論

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