朝鮮高級学校無償化問題に見える危険な大衆迎合

我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
(教育基本法/前文)




民主党議員は、教育基本法の前文を今一度読み返してもらいたい。

昨年の政権交代以降、民主党にはがっかりさせられることの連続だが、朝鮮高級学校の無償化問題はその際たるものになりそうだ。

高校無償化 「朝鮮学校は除外の方向」首相が示唆(朝日新聞/2010年2月26日)

 鳩山由紀夫首相は25日、4月から実施予定の高校無償化で、中井洽拉致問題担当相が朝鮮学校を対象から外すよう求めていることについて、「ひとつの案だ。そういう方向性になりそうだと聞いている」と述べ、除外する方向で最終調整していることを明らかにした。国会内で記者団の質問に答えた。


 こんなニュースに接すると、「政権交代の意味は一体何だったのか!?」と問いかけたくもなる。これでは、自民党政権とやることが一緒ではないか?

 正直、論証も反駁も馬鹿馬鹿しいくらいのレベルの話なので、一言で済ませておくと、「法の平等に反する差別だ」以上でも以下でもない。教育現場の現実を完全に無視している。

 だが、それより問題なのは、「北朝鮮に関わるものならば何でも贋懲の対象にする」という、民主党内にも存在する危険な大衆迎合主義である。政治的マイノリティを抹殺することがどれだけ危険なことであるかということ対する鈍感さだ。
 2007年の参議院選挙以降、こうした危険なナショナリズム・ポピュリズムに対する幻滅が広汎にみられるようになったが、その病根はまだ絶やされていないようである。

 今後の見通しを考えるに、どうやら反対派の思惑通りにはいかないようである。
 高等学校の授業料実質無料化法案は、来年度(平成22年度)予算執行に併せて成立する見通しだが、内容は授業料を国が助成することを概括的に記載するに止まる。いかなる学校に助成を行うかは文部科学省令に委任されるとされ、文部科学省は、高等学校の授業内容など客観的な基準によって定める方針で、結果的に朝鮮高級学校が含まれる可能性が高い。現在、ほとんどの国公立・私立大学では朝鮮高級学校の卒業資格のみをもって受験資格を認め、特に高卒認定試験を必要としていないことからも当然の措置といえよう。

 最も成熟した民主主義国とは、社会で最も嫌われる立場の者にも、分け隔てない法の平等がもたらされる国のことである。
 朝鮮高級学校の無償化を否定することは、社会正義に反するというだけではなく、この国が民主主義国であることを自ら否定する愚行である。
[PR]
by foresight1974 | 2010-03-03 18:51 | サイレント政治・社会評論

Let's think about day-to-day topics.


by foresight1974